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地域の医療ニーズに対応し、新病棟建設で病床を増減

地域の医療ニーズに対応し、新病棟建設で病床を増減

独立行政法人国立病院機構 神奈川病院
院長(はしづめ・としのり)

1984年慶應義塾大学医学部卒業。国立病院機構茨城東病院外科診療部長、
国立病院機構神奈川病院統括診療部長、同副院長などを経て、2018年から現職。

 1939年に傷病軍人神奈川療養所として開院し、一般診療、結核医療、重症心身障害児(者)医療の分野を担ってきた国立病院機構神奈川病院。現在、念願だった新病棟建設も着々と進んでいる。橋誥壽律院長に、地域における病院の役割や、今、話題となっている公立・公的病院のあり方などを聞いた。

―公立・公的病院の再編統合について。

 2019年9月に厚生労働省が公表した再編統合の検討が必要な424の公立・公的病院の一つに、当院が含まれていたことは、とても大きな出来事でした。職員も驚きましたが、患者さんや地域の方々にも、かなりのご心配をおかけしました。

 しかし、よく話を聞いてみると、今回の再編統合の目的は、病床のダウンサイジング、地域全体での機能分化などを進め、地方の医療事情に合った病院運営をしていくこと。その目的に、きちんと対応していくことが、何よりも重要であると捉えました。

 湘南西部医療圏は、今後、人口そのものは微減にとどまるものの、高齢者の割合が増えていくと言われています。そのことから、急性期病床よりも、今後は回復期病床が必要になってくると思われます。

 当院は、2021年1月完成予定で新病棟建設工事を進めています。病床は地域のニーズに合わせてダウンサイジングします。急性期病床は140床から130床に、一方、利用者が増えることが見込まれる回復期病床は40床から50床に増床します。呼吸器科病床は結核の患者数が減っていることから、一つのフロアを呼吸器科と結核とで分けるユニット化を実現し、現在の50床から30床にと計画しています。

―病院の建て替え工事が始まっています。

 2019年の4月に、ようやく一般病棟の建て替えに着工できました。昭和40年代に建てられた病棟は、古さやスペースの狭さが懸念され、患者さんにもご迷惑をおかけしていました。2021年1月には新病棟が完成します。新病棟は、一般病棟だけでなく、手術室や中央材料室、リハビリテーション室も移転する予定です。

 病院の建て替えは、3段階で進めています。最初は2014年の重症心身障害児(者)病棟で、患者さんの高齢化やニーズが拡大していることから100床から120床に増床しました。次が今回の新病棟の建設になります。最終的には、外来管理棟も建て替えを目指したいと思います。変わっていく時代のニーズに合った医療を、ハード面でも常に提供していきます。

─地域医療における役割について。

 秦野伊勢原地区において、唯一の地域医療支援病院です。その取り組みの一つとして、10年以上前から、「地域医療連携症例検討会」を年2回開催してきました。地域の医師、看護師、訪問看護師など100人ほどが集まり、紹介いただいた患者さんをどのように治療したかなど、症例をもとに意見交換し、相互理解に努めています。

 政策医療である結核や重症心身障害児(者)医療の分野については、この領域 を担う医療機関が少なくなっていることもあり、今後も引き続き、当院の果たすべき役割の一つとして対応していきます。

 一般診療においては、呼吸器の専門病院として、肺がんや非結核性抗酸菌症など、手術が必要であったり、治療が難しかったりする呼吸器疾患について、しっかりと取り組んでいきます。

 時代が移りゆく中で最も大切なことは、あらゆる課題を客観的に見つめ、地域の医療ニーズを常に意識すること。そしてニーズの変化に合わせて医療機関も柔軟に変化していくことではないでしょうか。そして今後、それがますます求められていくだろうと感じています。

独立行政法人国立病院機構 神奈川病院
神奈川県秦野市落合666―1
☎0463―81―1771(代表)
http://kanagawa-hosp.jp/

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