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地域の先頭に立ち良質な皮膚科医を育成

地域の先頭に立ち良質な皮膚科医を育成

福島県立医科大学 医学部 皮膚科学講座
山本 俊幸 主任教授
(やまもと・としゆき)
1988年東京医科歯科大学医学部卒業。
独ケルン大学医学部皮膚科留学、土浦協同病院皮膚科科長、
東京医科大学皮膚科助教授などを経て、2007年から現職。

 福島県立医科大学の皮膚科学講座では、県内全域から集まる多くの重症疾患を診断・治療しながら、臨床研究、学会発表、論文執筆にも積極的に取り組んでいる。その先頭に立つ山本俊幸主任教授は、自らの研究を深めると同時に、医局員の教育に対しても熱い思いを抱いている。

―医局の特徴や強みは。

 まず念頭に置いているのは「アクティビティーのある教室」です。これは外来・入院患者数、手術件数、学会発表、論文執筆、研究業績などのすべてを含んだものを指します。医局員には受け持った症例を勉強してもらうと同時に、学会発表や論文の執筆を積極的に促しています。
 
 また、症例が多いことも特徴の一つです。福島県には皮膚科の常勤医を置いている総合病院が少なく、県内の重症患者さんや、診断・治療に苦慮する患者さんはほぼ当大学附属病院に集まります。まれな症例を診る場合も多く、学生や医局員にとっては多くの臨床経験を積める場所だと思います。

―現在の研究活動についてお聞かせください。

 私のライフワークの一つである強皮症の動物モデルを用いて、大学院生を中心に強皮症のメカニズム解析、新規治療薬の開発などを進めています。加えて、皮膚のさらに深い部分が硬化する好酸球性筋膜炎や、成人スティル病などの臨床研究にも取り組んでいます。創傷治癒に関しても、創傷治癒遅延モデルによって新薬の評価などを行っています。
 
 膠原病の他、乾癬(かんせん)や掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)も私の専門領域で、関節症性乾癬や膿疱性乾癬などの難治度が高い疾患に力を入れています。これらに関しては、臨床研究によって得られた日本人の特徴を論文にまとめ、世界に発信しました。例えば、関節症性乾癬の男女比は世界的にほぼ均等ですが、日本では男性が2倍ほど多いという特徴があります。今後も多角的に研究を進め、難治性疾患の治療法や新薬の開発に寄与し、患者さんのQOL向上に貢献したいと考えています。

―新たな研究については。

 皮膚には、障害を受けた箇所に再び疾患が出やすい特徴があります。これは疾患の種類を問わず、やけどの古傷がある箇所に乾癬が現れることもあります。なぜこのような現象が起こるのか、そのメカニズムを研究したいと思っています。

 そしてもう一つは、皮膚の老化です。これまでは光老化にスポットが当たってきましたが、私は表皮と真皮をテーマにして掘り下げたい。いずれは産学連携も視野に入れながら、研究に取り組んでいきたいです。

―医局に関しての課題と今後の展望は。

 私はアクティビティーのある教室を目指していますが、まだ課題はあります。現状は臨床だけで手一杯になってしまい、研究や論文執筆にまで進めない医局員も多いのです。しかし、大学病院は忙しいのが当たり前。その覚悟を持って全てに取り組めば、後で必ず良かったと思えるはずです。ここで10年ほど研さんを積めば、どこへ行っても恥ずかしくない医師になれる。開業しても大丈夫だと、医局員たちを叱咤激励しています。

 地域にある医療機関との関わりについても、さまざまな課題があります。その中で気になるのは「紹介先」の問題。皮膚科に限らず、当大学附属病院は地域の病院から多くの患者さんの紹介を受けます。

 ただ、紹介される診療科が適切ではないケースもあり、こうした事例を減らすため、まずは地域にいるプライマリ・ケアの先生たちと関係を強めて、皮膚科に紹介する症例などを周知したいですね。

 当大学は福島県唯一の医科大学としての責任があります。良質な皮膚科医を育成することも含めて、今後も地域の医療に貢献したいと思います。

福島県立医科大学 医学部 皮膚科学講座
福島市光が丘1
☎024―547―1111(代表)
https://www.fmu.ac.jp/home/dermatol/

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