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地域の二次救急医療を牽引 診療科の垣根を越え対応

地域の二次救急医療を牽引 診療科の垣根を越え対応

医療法人SHIODA   塩田病院 塩田記念病院 塩田  吉宣 総院長(しおだ・よしのぶ)
1979年日本医科大学卒業、同第一外科入局。米コロラド大学消化器科留学、
癌研究会附属病院外科、塩田病院副院長などを経て、2010年から現職。

 千葉県の東南部に位置する勝浦市は都内中心部から70㌔圏で、県都千葉市からは45㌔ほどのところにある。気候に恵まれ、風光明媚(ふうこうめいび)なこの地に開院して70年余。歴史を持つ塩田病院は、二次救急医療機関として、地域の信頼を得ている。

―病院の概要を。

 1946年に、木造平屋3棟からスタートしました。現在の病床数は一般病床257床、療養病床33床、結核病床8床の計298床です。

 急性期から慢性期まで対応し、特に救急診療は日曜祝日、平日夜間と24時間体制で受け入れています。病院群輪番制で当院は、たとえば2月は78枠のうち71枠に対応しています。1月もほぼ同様です。残りの7枠が公立病院となっています。救急車は年間1900台受け入れています。もともとは4、5カ所の病院で対応していたのですが、医療従事者の減少などもあって、結局、当院でお引き受けすることになりました。

 そのほか外科系、そして脳神経内科、泌尿器科などでは先端医療機器を取りそろえています。2001年には別棟に脳卒中センターを開設しました。

―ご専門について聞かせてください。

 消化器外科の大腸、肛門病疾患を中心に、私の世代では何でもやります。外科、消化器外科、内視鏡の指導医でもあります。

 若干、話はそれますが、米国のハーバード大学で行われ毎年テレビで話題になるイグ・ノーベル賞(人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究)の昨年の受賞者の1人が、日本人医師の「苦痛の少ないセルフ大腸内視鏡」の研究でした。実は私も練習を兼ねて30年ほど前に1人で体をねじりながら、大腸を直接スコープで観察していました。同じことをやるものだなと、興味深く目にしました。

 内視鏡による検査・治療は、当時、まだまだ一般的ではなかったので、世界で初めて、大腸内視鏡による大腸ポリープの切除に成功し、以来、日米で30数万人以上の胃と大腸の内視鏡検査を行った新谷弘実先生(アルバート・アインシュタイン医科大学外科教授)の講習会に参加し、スキルアップに力を入れてきました。

 癌研究会附属病院に勤めていた時には、外科手術のみでなく、大腸内視鏡検査やMRIなども担当していました。当院に赴任した時も、最初の数年間は自身の大腸検査をセルフでやっていました。専門性の向上は大事なことだと考えています。

 ただ、救急をやっていると、専門分化が進み過ぎている弊害も感じます。

 三次救急の医療機関が受け入れられない状況も、時には発生します。緊急の手術時に麻酔医がそろわないこともあります。また高齢者はさまざまな病気がある人も少なくありません。診療科の垣根を越えた知識や技術を身に付けることも肝要だと思っていますし、若い人たちにも伝えています。

―地域で求められている役割をどう考えますか。

 当院から直線距離で30㌔ほど離れた場所に、同じ法人の「塩田記念病院」があります。2007年に有床診療所として開設し、その後、段階的に増床。2012年には、現在の病院名となりました。

 一昨年には、115床に増床し、重症治療室も増設。循環器疾患への対応を強化しています。2室の手術室を備え、CT、MRI、血管造影検査装置などの機器に加え、サイバーナイフも導入しています。

 両病院合わせると、グループ全体として年間3000台以上の救急車を受け入れています。今後も地域の二次救急医療を支えていくということが、グループの大事な役割です。

 私たちのような二次救急の病院ががんばらないと、三次救急を担う医療機関ににしわ寄せがいき、ひいては全体の医療の崩壊につながる―。使命感を持って、取り組んでいきます。


医療法人SHIODA  塩田病院
千葉県勝浦市出水1221
☎0470―73―1221(代表)
http://www.shioda.or.jp/

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