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地域の中核病院として災害・救急医療を強化

地域の中核病院として災害・救急医療を強化


福島県いわき市内郷御厩町久世原16 ☎0246―26―3151(代表)

http://iwaki-city-medical-center.jp/

 1950年の開院以来、いわき医療圏の中核病院として地域の医療を守り続けてきた、いわき市立総合磐城共立病院。2018年12月25日に「いわき市医療センター」と改称し、新たなスタートを切った。そこには災害・救急医療における最新設備がそろっている。

◎東日本大震災を機に災害に強い病院へ

ホスピタルストリートには医療ガスが配管され、災害時の対応が可能に 

 施設の老朽化や耐震性の問題などにより、新病院の建設計画に着手したのは2010年。順調に計画が進んでいたとき、東日本大震災が発生した。新谷史明いわき市病院事業管理者兼いわき市医療センター院長が当時を回想する。

 「建物の被害はほとんどなかったのですが、ほぼすべての入院患者さんを屋外にいったん退避させました。そして、落ち着いた後に戻っていただこうと考えていたところ、多くの人が不安で戻りたくないと訴えたのです。この経験から、誰もが安心して避難できる免震構造で、災害時も病院機能を持続可能な施設が必要だと強く感じました」

 その後、再び計画が動き出し、2016年2月、新病院の建設に着工。そして2018年12月に地上13階建て、屋上ヘリポートを備えた「いわき市医療センター」が開院した。

 新病院は、免震構造を採用。インフラが遮断された場合でも、72時間以上の医療活動が可能となる自家発電や貯水槽などを完備。講堂やホスピタルストリートに医療ガスの配管を設置。駐車場の一部には簡易トイレ用のマンホールが用意されている。

 また、エネルギーの供給設備を一括して運転・管理する会社と契約することで、エネルギーの安定供給と省エネ・省コストを実現した。

◎スムーズな動線と横断的な総合医局制度

 新病院のフロア構造を考える際、新谷院長がこだわったのは「動線」だ。以前の施設は増築を重ねた影響により、使い勝手があまり良くなかったという。

 その教訓を踏まえ、新病院には全体で計17基のエレベーターを配置。医師やスタッフがどこにでもスムーズに移動できる構造となった。加えて、診療科の医局についても、新谷院長の考えが取り入れられている。

 「以前は各科の医局が離れた場所にあり、こちらの動線も気になっていました。診療の相談にも煩雑な手続きが必要で、各診療科の医師のいわゆる横のつながりが希薄だったのです。そのため、全ての医師が一堂に会して顔を合わせるように『総合医局制度』を導入。プライバシーに配慮しつつ、コミュニケーションの場となる共有部分を多く取り入れています」

◎「慈心妙手」を掲げ患者さん中心の病院に

 いわき市医療センターでは、基本理念として「慈心妙手(じしんみょうしゅ)」を掲げている。

 「相手を思いやる気持ちで患者さんに接し、優れた医療技術で診療・治療を行う」という意味だ。この理念は新病院の設備にも反映されている。「カフェを併設したラウンジ、コンビニエンスストアを設けるなど、患者さんのアメニティーに配慮しました」

 また、利便性向上の一つとして「患者サポートセンター」を新設。「ここでは入退院支援、地域医療機関との連携、医療福祉相談などを一括で行っています。最新の医療機器を含め、これまで以上に患者さんに思いやりのある機能がそろったと思います」

いわき市病院事業管理者兼いわき市医療センター院長


 少子高齢化や医師不足など、地方の医療機関が抱える課題は多い。地域医療構想に基づいた医療機能の役割が求められる中で、新谷院長はどのような未来を見据えているのだろうか。

 「高度医療や災害・救急医療を推進しつつ、地域医療支援病院として各医療機関との協力体制をより強固にしたいと考えています。もちろん、地域の皆さんとのつながりも大切です。市民向けの健康講座などを通して、今後も地域の健康を守り続けます」


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