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地域のハブとなり理想の連携を目指す

地域のハブとなり理想の連携を目指す

独立行政法人地域医療機能推進機構 群馬中央病院
内藤 浩 院長(ないとう・ひろし)

1986年群馬大学医学部卒業。群馬県済生会前橋病院、
県立循環器病センター(現:群馬県立心臓血管センター)、原町赤十字病院などを経て、
2018年から現職。

 独立行政法人地域医療機能推進機構群馬中央病院は「地域医療・地域包括ケアの要」として、地域の医療機関・介護施設との連携を進めている。それを陣頭指揮するのが2018年に院長となった内藤浩氏だ。これまで、さまざまなアイデアを打ち出してきた院長の歩みや今後の展望を聞く。

―赴任以降、さまざまな改革に取り組んでいますね。

 私は2000年に外科医長として当院に赴任し、まずは多職種によるチーム医療を推進しました。最初は栄養サポートチームであるNSTとクリニカルパスチームを作り、次いで感染や緩和などのチームを結成。当時はまだチーム医療を導入している医療機関が少ない時期でしたが、当院ではスタッフの協力や理解があり、比較的早い段階で体制を構築できました。

 その後、NSTの取り組みは地域全体にも広がり、2008年には前橋医療圏にある100以上の医療機関・介護施設と連携して「栄養療法ネットワーク・前橋」を始めました。この活動は地域医療連携、地域包括ケアにも一役買っていると思います。

―地域連携についての取り組みを教えてください。

 チーム医療の次に取り組んだのが地域医療連携センターの設置です。センターは地域医療連携室、医療福祉相談室、患者支援室、入退院センターで構成され、患者さんのスムーズな受け入れと、後方連携の医療機関・介護施設との関係強化に努めています。現在、スタッフは総勢22人で、病院の運営面でも重要な役割を担っています。

 また、2016年には地域包括ケア病棟60床を開設し、2018年には「地域包括ケアチーム」を立ち上げました。地域包括ケアに求められるのは高度・急性期医療だけではありません。当院には総合的に診療できる医師がおらず、患者さんのニーズに応えられないこともありました。そこで外科・内科などの医師や地域医療連携センターのスタッフでチームを結成し、みんなで患者さんを診る体制を整備したのです。その取り組みの一つとして、現在は摂食機能訓練などのパスを作り、患者さんに対して誤嚥(ごえん)性肺炎の予防や口から食べられるための診療を行っています。

 その他、情報発信にも力を入れています。医療機関などを対象にして、定期的に地域連携カンファレンス、学術講演会、出前講座などを開催。地域の方々に対しては市民公開講座や、院内でのミニ健康教室を平日の月曜から金曜まで毎日開催しています。私としては医療の提供だけでなく、このような活動を通して地域に根づくことも重要だと感じています。

―その他の病院の強みは。

 スタッフに恵まれていることは大きな強みの一つです。チーム医療や地域医療連携センターなど、私が新しいことを始める際も一体感を持って協力してもらい、それが結果的に病院の評価にもつながっています。スタッフ同士の仲も良く、全員でダンスを踊って動画を撮影したり、毎年夏に行われる納涼祭も一体となって盛り上げてくれたりしています。今後もこの雰囲気は大切にしたいですね。

―今後の展望は。

 現在、当院には503人の登録医がおり、年間の紹介患者数は1万件を超えようとしています。これは大きな財産ですので、今後も地域医療連携を中心に据えて、地域に必要とされる病院を目指します。

 私がイメージしているのは「ハブ」です。当院が中継地になることで病院や介護施設などがつながり、地域全体が一つの医療機関として機能する形が理想ですね。今後は少子高齢化などの影響で、これまで以上に病院だけでは医療が完結しない時代となるでしょう。

 その中で当院には何が求められているのかを常に考えながら、地域医療のために貢献したいと思います。

独立行政法人地域医療機能推進機構 群馬中央病院
前橋市紅雲町1―7―13
☎027―221―8165(代表)
https://gunma.jcho.go.jp/

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