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地域に開かれた病院に。2020年秋、新病院が完成

地域に開かれた病院に。2020年秋、新病院が完成

社会福祉法人恩賜財団済生会
大阪府富田林市向陽台1―3―36 ☎0721―29―1121(代表)
http://www.tonbyo.org/

 2018年、病院開設者が済生会となり、新たなスタートを切った「大阪府済生会富田林病院」。経営の立て直しを牽引してきた宮崎俊一院長は、病院の建て替えという次なるビッグプロジェクトに挑む。

◎黒字転換が新病院建設の弾みに

 2016年に院長に着任。そのミッションは「経営の立て直しと、新病院へのリニューアルでした」と振り返る宮崎院長。

 富田林病院は大阪府の東南部にある南河内医療圏に位置する。周辺には近畿大学病院(大阪狭山市)をはじめ、地域の中核となる病院が点在する競争の激しい医療圏だ。しかも富田林病院は数年前に内科医の不足という問題が浮上。救急の受け入れが難しくなり、厳しい経営環境に置かれた。

 市立病院で公設民営という歴史を刻んだ後、2018年に済生会に移管。運営も済生会グループが担っている。

 宮崎院長は経営の立て直しを図るために、職員の協力を仰ぎながら「断らない救急」「医療の質を上げる」といったさまざまなスローガンを掲げた。医師をはじめ職員の意識改革が進むにつれ、救急の不応需率は大きく下がり、これに伴い経営は黒字に転換した。

 「短期間での黒字化が富田林市議会にもインパクトを与えたのでしょう。念願だった建て替えが決定、2019年1月には無事起工式を終えることもできました」。地上6階、地下1階の新病院。開院は2020年秋ごろを目指している。

◎新病院建設は地域の信頼をより強固にするため

地域に開かれた講堂、大規模災害にも備えた機能を持つ病院全図

 現病院は1977年に建設。40数年が経ち老朽化が進む。「40年前とは、検査や診療の内容が大きく変わっています。医療機器も変化しますので、病院機能が対応できなくなる部分が出てくるのです。新病院では40年後の医療システムに対応できるようにしたいと思っています」

 「地域の皆さんから信頼される病院になるというのが最も重要なことだと思います」とも強調する。信頼され続けるためには、新病院建設によって医療の質をより上げていくことが必要だ。「標準を目指すだけではなく、先端医療ができる施設を目指したい」と宮崎院長は考える。

 新病院の建設で重視しているという四つのポイントがある。①患者さんや家族など、利用者に優しいこと。②救急や災害に強い施設であること。③スタッフに優しい建物であること。④維持管理がしやすいなどコスト面や運営上、病院経営に貢献すること。

 「新病院で働くことが職員のモチベーションアップにつながってほしい」という思いは強く、スタッフが働きやすい動線をつくるなど、労働環境としての視点を重要視する。環境が充実した病院になることは、優秀な人材の確保にもつながると考えている。

◎医療のみならず介護の視点も取り入れて

宮崎俊一院長

 「医療だけでなく、介護の視点を取り入れた病院であることも大切なのかもしれない」と宮崎院長は考えている。

 救急医療とがん医療が運営の柱ではあるものの、ニーズに応え、訪問看護ステーションなど福祉関連の施設も持つ。回復期の医療提供を考え、新病院ではリハビリのスペースを広くするようにした。

 工事は1期、2期に分かれて進められ、第1期で新病院を開設。

 その後、現在の病院を取り壊す作業を進め、第2期では講堂などを建設する。講堂は、院内の患者だけで使用するのではなく、地域で利用してもらうことを想定する。

 「地域の方たちにも使っていただきたいですね。そのような場を通じて地域との密接な関係を築いていけたらと思います」

 講堂を含む全体のグランドオープンは2021年末から2022年にかけて予定している。

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