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地域に根ざす医療 実現に向け挑戦

地域に根ざす医療 実現に向け挑戦


病院長(しみず・あつや)

1987年自治医科大学医学部卒業。
三重大学医学部附属病院、三重県厚生農業協同組合連合会鈴鹿中央総合病院、
済生会松阪総合病院消化器センター長、同副院長などを経て、2020年から現職。

 2020年7月に病院長に就任した清水敦哉氏は21年、入職20年の節目を迎える。新病院建設の計画も進むなか、地域に根ざした医療やチーム医療の実現に向け、これまで温めてきた構想を形にしようとさまざまな挑戦を続けている。

地域のための医療目指し かじ取り

 自治医科大学出身で、自身のバックボーンは地域医療だと自覚する。大学卒業後、現在の南伊勢町の町立病院で働いた後、松阪市内の山村地区にある診療所に赴いた。「地域の方に優しくしてもらったおかげで、温かい気持ちで患者さんを見守ることを学びました」

 地域のための医療を、住民と一緒に考える機会が持てないだろうか―。病院長に就任した今、そんな思いで構想しているのが「なでしこ塾」だ。医師や管理栄養士、看護師らが病気や生活に関する話をするだけでなく、生や死といった哲学的なことも話し合える場にすることを想定しており、「一人ひとりの人生観を分かち合いながら、前向きな気持ちになれる時間が持てたら」と構想を膨らませている。

 これまでも複数のプロジェクトを主導してきた。

 患者の栄養状態の改善を目指す「栄養サポートチーム」もその一つ。メンバーは医師、看護師のほか管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師ら多岐にわたる。  

 チームを立ち上げて以降、多職種連携は緩和ケアなど他領域へも広がっていった。「多職種が入ることで患者さんが元気になる姿を目の当たりにしてきました。医師の負担軽減だけでなく、倫理問題への対応にも多様な意見が入ることは非常に大切。今後もチーム力を重視したいですね」

満足度向上のため できることを一つずつ

 チーム医療を実践し続けた結果、診療科ごとの壁が低くなっているように感じている。「例えばPCR検査は、内科だけでなく全医局の先生が当番で担当してくれています。医師の送別会には毎年医局全員が集まるほど。この温かい雰囲気はずっと大切にしたいです」

 「病院長としての第一使命」と位置付けるのが、職員満足度の向上だ。できるだけ多くの職員と交流を重ねて要望を聞きたいと語る。

 さらに、女性に優しい病院づくりにも注力している。三重県の「女性が働きやすい医療機関」に認証されたこともあり、さらに職場環境を整えると同時に、女性が受診しやすい環境づくりも目指している。「生殖医療センターのほか、女性医師が担う乳腺センターや形成外科は当院の強み。周産期にも力を入れています。三重大学の産婦人科教室と連携して、女性が安心して妊娠出産できるようサポートしていきます」

断らない急性期医療を 新病院で確立目指す

 「市民にやさしく信頼される急性期病院」。それが就任時に掲げたスローガンだ。「地域の中核病院として、松阪地区と南勢地域の救急をしっかり守る。頼りにされる急性期医療体制を維持することが一番重要だと考えています」

 現在、松阪地区の救急は、済生会松阪総合病院と三重県厚生農業協同組合連合会松阪中央総合病院、松阪市民病院の3病院で担っている。医師会や松阪市の協力も得て維持しているが、「今後は地域医療構想に向けて病院ごとの分担などを考えていかなければならない」と課題を語る。

 他院との連携強化と同時に、「断らない急性期医療」の確立を目指して新病院建設計画も進めており、職員のさらなる士気向上のためにも、やりがいを感じながら取り組んでいる。「今の駐車場スペースに、同規模の病院を2025年初頭に竣工する予定しています。松阪地区に限らずより広い地域から来てもらえる病院にしたいと考えています」

社会福祉法人恩賜財団 済生会松阪総合病院
三重県松阪市朝日町1区15ー6 ☎0598ー51ー2626(代表)
http://www.matsusaka.saiseikai.or.jp/

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