九州医事新報社 - 医療・医学の〝今〟を伝えて62年

地域に根ざした医療を全ての人に届けたい

地域に根ざした医療を全ての人に届けたい


院長(つるた・よしひこ)

1997年東京大学医学部卒業。
米マサチューセッツ総合病院、大和徳洲会病院、四街道徳洲会病院、
千葉徳洲会病院副院長などを経て、2019年から現職。

 船橋市にある千葉徳洲会病院。33年の歴史を地域の住民と共に歩んできた。24時間365日体制で救急外来に当たるなど地域の中で果たす役割は大きい。「基幹病院としての存在感を増していきたい」と話す新院長に、これまでの歩みとこれからの抱負を聞いた。

柔道での脱臼で医師の道へ

 もともと文学や歴史に興味があり、将来は文学部に進みたいと考えていた。

「本が好きでユングの心理学の本なども読んでいました。自分って何のために生きているのか、と悩むこともありましたね」と話す鶴田好彦院長。

 高校3年生の柔道の授業で肘を脱臼。治療をしてくれた医師がまぶしく見えた。「自分のやりたいことはこれだ、とその時、気持ちが決まりました」

 東京大学医学部卒業後、研修時代に出会った先生から「海外に行った方がいい」と勧められ、渡米。

 「当初は精神科医になりたいと考えていましたが、かけがえのない命を最前線で守るという外科医に魅かれました」。渡米先の病院で、外科医としての道を歩むことを決意する。

 「できるだけ多くの人に医療を届けたい。その思いで、今も患者さんと向き合い続けています」

組織力・現場力を強化したい

 へき地医療・救急医療を中心に26の診療科目を持つ千葉徳洲会病院。がん治療においては、先進医療や緩和ケア、放射線治療などの多様な治療が院内で受けられることが強みだ。

 「手術支援ロボット『ダビンチ』も備えています。設備は十分と言えるものの、実は医師不足という現実があります」

 求めている医師を獲得していくには、大学などの人脈を頼りに、アンテナを多方面に広げ、人材を獲得していく活動を地道に続けていくしかないという。

 「医学においても分業化が進み、自分の診療科以外の救急外来は診ることが難しいという医師も増えていると感じています。しかし、それでは本当の意味で地域医療に応えられない。一方で、今働いている医師にさらに負担をかけるのも限界がある。そのジレンマを解消するためにも現場力・組織力の向上が最優先と考えています」

 時間を見つけては、院内を回る。病院内にもアンテナを張って、現場の声を拾い集めている。

 「副院長から院長になった経緯もあり、現場からの相談は受けやすいですね。上から指示をするのではなく、むしろ励ますことを心掛けています。職員一人一人が自ら考え、責任を持って患者さんと向き合ってほしいと思います」

 労働意識の向上、働く環境の整備にも、今後は取り組んでいく。

患者さんのクレームは宝物

 2年ほど前から、患者さんからの投書を院内の掲示板に貼り出す取り組みを始めている。

 「以前は投書を管理会議の中で検討するだけにとどめていました。しかし、これらを透明化し、院内で共有することで、患者さんの安心感につなげたい。そのような思いから、院内掲示へと踏み切りました」

 窓口で受けたクレームや相談も、院内のサポートセンターに集約。スタッフとの情報共有を図り、接遇改善などにもつなげていくのが狙いだ。

 「患者さんからのご指摘は、真摯(しんし)に受け止めること。スタッフ同士が良いコミュニケーションを取ることは、院内の風通しを良くし、ミスを防ぐことにもつながります。これからは、患者さんとそのご家族とのつながりをもっと深いものにしていきたいですね」

 全ての人に最善の医療を届ける。その理念に鶴田院長は、真正面から、向き合っている。

医療法人沖縄徳洲会 千葉徳洲会病院
千葉県船橋市高根台2—11—1  ☎047—466—7111(代表)
http://www.chibatoku.or.jp/

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