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地域に必要とされるオンリーワンの病院に

地域に必要とされるオンリーワンの病院に


赤須 郁太郎 院長(あかす・いくたろう)

1993年久留米大学医学部卒業、同第二外科入局。福岡和白病院、
国立病院九州医療センター(現:国立病院機構九州医療センター)などを経て、
2002年医療法人伸和会共立病院(現:延岡共立病院)入職、2017年から現職。

 1950年の設立以来、宮崎県延岡市の地域医療を支えてきた「延岡共立病院」。2020年2月、新病院に移転直後、新型コロナウイルス感染症の拡大という緊急事態に直面した赤須郁太郎院長に、この1年間の取り組みを聞いた。

―旧病院をコロナ専用病棟に活用されました。

 新病院に移転する直前の2020年2月、新型コロナウイルス感染拡大の兆しがありました。その時はまだ予想がつかなかったのですが、いざという時のために旧病院の電気や水道、ガスなどのインフラは止めないでおこうと判断。夏の第2波の際に、旧病院が宮崎県初のコロナ専用病棟として機能し、患者を受け入れることができたのです。

 感染症の市中感染を防ぐためには、まず隔離が重要なポイントです。延岡市では県立延岡病院と延岡市医師会病院、当院が連携を取りながら対応することで、うまく機能することができたと思います。また、真夏の暑い中で防護服を着て治療に当たった医師、看護師、医療スタッフには感謝すると同時に、これらを乗り切ったことは当院の誇りであると思っています。

―新病院移転後、変わったことは。

 新病院移転後の病院運営はおかげさまで順調に推移しており、外来、入院患者数ともに増えています。当院が得意としている「マイクロ波凝固壊死(えし)療法」や「ラジオ波焼灼療法」などを取り入れたことで、肝臓がんの症例数も増え、県内各地から多くの患者さんを紹介いただいています。

 移転と同時に導入した電子カルテも、予想以上の成果を上げています。職種ごとの役割分担が明確になり、業務の効率化が図れるようになりました。以前はどうしても看護師に偏りがちな部分が大きかったのですが、電子カルテの導入で看護師、薬剤師、作業療法士の本来の役割が明確になり、より専門性の高い仕事ができていると感じています。当院の理念である「心のこもった親身なサービス」に、近づくことができたのではないでしょうか。

 新病院のコンセプトの一つに「災害に強い病院」があります。津波被害のない高台に移転し、屋上に災害用ヘリコプターのヘリポートを設けました。幸いにしてまだ使用する機会はありませんが、万が一に備えて宮崎県防災救急航空センターと連携しながら防災救急ヘリ「あおぞら」の離着陸訓練を行っています。当院のヘリポートはドクターヘリより大型のヘリコプターを運用できるので、いざという時には救援物資の受け入れも可能。地域のために活用したいと思います。

―今後の展望は。

 当院は消化器と循環器の治療を二本柱にしてきました。それは今後も変わりません。その中で、地域に必要とされるオンリーワンの病院として、当院だからできることを磨いていくつもりです。その一つとして、当院の設備を開放型のオープンシステムにして、同じ延岡市内にある「いのうえ整形外科クリニック」の井上英豪先生が手掛ける脊椎手術も実施しています。

 新しい取り組みでは、延岡を代表する企業である旭化成とのタイアップで、遠隔診療システムのテストを行っています。これは循環器疾患がある在宅療養患者の心拍数などを遠隔でモニタリングするもので、近い将来実用化し、延岡から発信していきたいですね。

 おかげさまで当院は2020年、設立70周年を迎えることができました。これも創業者である先々代、先代が少しずつ築いてきた信用の積み重ねがあったからだと思っています。こればかりは一朝一夕にできることではありません。

 100年続く病院に向けて、今日も明日もあさっても、当たり前のことを当たり前に取り組んでいくことで、さらなる信用を積み重ねていきたいと思います。


宮崎県延岡市山月町5―5679―1
☎0982ー33−3268(代表)
http://www.nobeoka-kyoritu.or.jp/

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