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地域に必要とされる 医療を届けたい

地域に必要とされる 医療を届けたい

千葉県立佐原病院
露口 利夫 病院長(つゆぐち・としお)

1984年千葉大学医学部卒業。
君津中央病院、千葉大学医学部附属病院などを経て、2019年から現職。

 地域の中核病院として急性期から慢性期まで幅広い診療を行う佐原病院。「病院に来ることができない、本当に医療を必要としている患者さんに、適切な医療を届けたい」と、新病院長の露口利夫氏は訪問診療に意欲的だ。これまでの歩みと今後の抱負とは。

内視鏡のエキスパートとして

 医師として、そのほとんどを千葉大学医学部附属病院で過ごしてきた露口病院長。大学では胆膵疾患を専門に、内視鏡による診断、治療を行ってきた。

 「胆管炎で運ばれてきた患者さんを内視鏡を使って治療したところ、処置した途端に痛みが消えて、とても喜ばれました。内科医といえば診断して薬を出すというイメージでしたが、内視鏡を使うことで、内科医でも目の前の人を救える治療ができる。そんなことを実感してきました」

 内視鏡による治療や研究の成果を生かす形で、胆石症診療ガイドライン、胆道癌()診療ガイドラインの作成にも携わってきた。 教育にも熱心だ。患者を診るときは、診察室に入ってくる様子、付き添いの家族の様子はどうなのか。表情やしぐさから読み取る力をつけることも、医師の仕事として重要であると伝えてきた。

「ときどき入院・ほぼ在宅」を目指す

 4月に病院長に就任。これまでの大学病院勤務とは、180度異なる役割を求められている。

 「地域に密着した病院に来て、より少子高齢化という言葉を実感しました。果たすべき役割の中でも、特に高齢者医療の充実は、早急に取り組むべき問題だと考えています。できる限り在宅で過ごし、具合が悪くなったら病院が受け入れる。その態勢の整備を強化していきたいですね」

 2016年からは、院内にあった訪問看護ステーションが併設となり、本格稼働している。訪問看護師の数は20人ほど。約120人の患者を支えている。

 「点滴だけでなく褥瘡(じょくそう)などへの対応も含め、経験が豊富な病棟担当の看護師が、そのまま訪問看護にも当たっているのが特徴です」

 さらには訪問看護だけではなく、訪問診療、看取(みと)りまで行っている。

 「高齢の方は通うことも難しい。患者さんのために本当に何が必要なのかをよく考え、今後もできる限り医療の提供範囲を広げていきたいと思っています」

 さらに、38床の地域包括ケア病棟では、在宅復帰を目指して、嚥下(えんげ)訓練を含めたリハビリを行っている。「」実現は、今後の佐原病院の強みになっていくだろう。

常に冷静に自分を見つめる

 病院長就任後の取り組みとして、院内に「サービス向上委員会」を発足させた。患者からのクレームに対して自分たちで改善策を考えようと、医師、看護師のみならず各部署から集まって話し合っている。

 「例えば、インフルエンザの時以外は、マスクを外すことを決めました。マスクがない方がコミュニケーションを取りやすくなります。接遇が素晴らしい各部署のスタッフには〝マイスター〟の称号を贈るなど、新しいアイデアが次々と生まれています」

 露口病院長のポリシーは一貫している。「自分にうそをつかないこと。自分がどうあるべきか、冷静かつ適切な判断ができているかを俯瞰(ふかん)することを常に心掛けています」

 その姿勢が生かされたのが、2019年秋の台風19号。香取市佐原地区も大きな被害に見舞われた。佐原病院は独自に災害対策本部を設置し、DMATとも連携しながら有事の対応に注力。近隣からの入院患者の受け入れなどに努めた。こうした場面においても「冷静で適切な判断」の心がけが生かされたという。

千葉県立佐原病院
千葉県香取市佐原イ2285 ☎0478―54―1231(代表)
https://www.pref.chiba.lg.jp/sawara/

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