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地域と共に未来を創造

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学長(ふくだ・しんさく)

1985年弘前大学大学院医学研究科修了。
同大学院医学研究科教授、同医学部附属病院長、同学長特別補佐などを経て、
2020年から現職。

 県庁所在地ではない都市名を冠する唯一の国立総合大学である弘前大学の学長に就任した福田眞作氏。学内における新型コロナウイルス感染症対応策を迅速に打ち出し、同時に大学が進むべき将来像も明確に見据えている。

座右の銘は「寧静致遠」

 秋田県で農家の長男として生まれ、中学校までは野球に熱中していた福田氏。ターニングポイントとなったのは高校時代だと語る。

 「化学に興味を持ち、大学で研究したいと思って懸命に勉強しました。先生にも恵まれたおかげで成績が伸び、進学の際に『医学部でも大丈夫』と周囲に勧められたのが分岐点です。弘前大学医学部を受験し、合格。他大学の理学部にも合格していたのですが、社会に貢献したいと考えて医学部を選びました」

 卒業後は同大学内科学第一 (現:消化器血液内科学)講座に入局。当時の吉田豊教授に師事し、研さんを積んだ。そして2007年、同講座教授に就任した際に、とある言葉に出合う。

 「教授室の物置をのぞいてみたら、掛け軸が置いてありました。開いてみると『寧静致遠』の4文字。諸葛孔明がわが子に残した言葉といわれており、個人的には『いかなる困難も誠実に努力すれば必ず克服できる』という意味だと解釈しています。この言葉をとても気に入り、以降は私の座右の銘にしています」

コロナ禍で学長に就任

 2016年から弘前大学医学部附属病院の病院長を務めた後、2020年4月に学長に就任した。世の中は新型コロナによる混乱の真っただ中。最初から難しいかじ取りを迫られる中、福田氏は矢継ぎ早に対応策を打ち出した。

 まずは職員や学生が大学に通えない状況でも授業が継続できるよう、5月11日からオンライン授業を全学一斉で開始。また、経済的に困窮した学生に対して、独自の支援にも取り組む。

 「本学の『弘前大学修学支援基金』を活用し、全国から寄付金を募っています。本学のOB・OGを中心に多くの支援をいただき、10月上旬時点で約350件、総額で約1850万円にもなりました」

 この寄付金などを元にして、学生たちに学食での夕食を100円で提供、地元の飲食店で使える「プレミアム食事券」も販売した。食事券は1枚2000円で5000円分の食事ができ、差額の2000円は大学、1000円は弘前商工会議所が負担。さらに学生支援教材費として、約7000人の全学生に1人あたり6500円を支給するなど、大学として可能な限りの支援を行っている。

COI拠点として研究を継続

 将来の大学像をどのように見据えているのか。「病院長時代、学長特別補佐も務めており、全学部をある程度把握した上で、学長に就任することができました。現在、理工学部や農学生命科学部などではキラリと光る研究をしている。これらの分野をさらに伸ばし、大学のPRになるような存在、地域に貢献できるような存在になればと思います」

 また、医学部の今後についても期待を寄せる。「文科省から革新的イノベーション創出プログラム・COI拠点の採択を受け、地域における認知症・生活習慣病の早期発見、予防法の研究、啓発活動などを行っています。これは本学の大きな目玉ですので、今後も継続させたいですね」

 大学運営にあたり、福田氏は弘前大学のスローガンである「世界に発信し、地域と共に創造する」を大切にしている。「現在のスローガンは私の恩師であり、第11代学長である吉田豊先生が掲げたものです。先生の弟子として、この目標をさらに前進させたいと考えています」

弘前大学
青森県弘前市文京町1 ☎️0172ー36ー2111(大代表)
https://www.hirosaki-u.ac.jp/

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