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地域での役割を担い 広い視野を持つ 人材を育成

地域での役割を担い 広い視野を持つ 人材を育成

医療法人聖仁会
院長(いぬかい・としひこ)

1978年群馬大学医学部卒業。
米オレゴン州立医科大学留学、カナダ・アルバータ州立大学留学、
獨協医科大学埼玉医療センター糖尿病内分泌・血液内科教授などを経て、
2019年から現職。

 埼玉県西部地域にある西部総合病院は、設立から40年以上、地域における中核病院としての役割を担ってきた。2019年、地域包括ケアという新しい分野に乗り出した犬飼敏彦院長に、これまでの歩みと目指すべき病院の姿を聞いた。

大学病院一筋から地域包括ケアを担う病院へ

 出身は群馬大学医学部。医学部入学については悩んだ時期もあったという。結局は、数学が好きだったことと、将来性を考えて医師を目指した。医師になってからは従来の数学好きの影響もあり、「データを見ることで病状を分析する」という特徴を持つ内分泌分野を選択した。

 長年にわたり、内分泌分野での研究に従事しつつ、多くの患者を診療してきた。中でもアメリカなどへの留学は、データを重視していた自身の考え方を大きく転換させる機会になったという。

 「世界の動きを見ながら研究を続けることで、医療には〝人と人とのつながりが大切〟ということを、改めて感じました」

 この経験は、その後の研究や診療のみならず、今現在の「院長」という立場にも影響を与えているという。2019年3月に、長年勤めていた獨協医科大学を退官。その翌月からは、西部総合病院の院長としての毎日が始まった。

 「それまで勤務してきたのはいずれも医学系大学の附属病院で、緊急度が高く難治性の症例を数多く診療してきました。当院は、国が推進する地域包括ケアシステムの中核病院という役割を担う病院です。当然ながら症例の傾向は違います。そうした環境の中で、広い世界を見てきた自分ができる医療があるのではないか。そのような気持ちをもって、新院長として新たなスタートを切ることにしました」

「地域循環型の病床」で地域の役割を明確に

 西部総合病院は、四つのタイプの病棟を備えている。急性期病棟、回復期リハビリテーション病棟、療養病棟、そして地域包括ケア病棟だ。いずれの病棟も地域の患者を多く受け入れており、特に地域包括ケア病棟では、在宅療養中の高齢患者の受け入れを積極的に行っている。

 「在宅療養中に病状が変化した時は、数日の入院でも当院で療養していただき、回復すればまた自宅でかかりつけ医の診療を受ける仕組みをつくりました」

 このような地域循環型の病床が利用できることで、医療機関それぞれの役割が明確となっていくという。

 「当院の役割は、地域全体での病診連携において、中核的な病院であり続けること。そのために地域包括ケア病棟の機能を『地域循環型の病床』と位置付け、特に在宅で療養する地域住民の方を受け入れられるよう体制を整えています」

人と人とのつながりを大切にする人材を育てたい

 現在、標榜している診療科は18。「糖尿病認定教育施設Ⅰ」の認定を受けている糖尿病・内分泌内科をはじめ、多くの科で専門的な高いスキルを持つ医師は多い。「地域に愛される病院」を目指すためには、まず医師たちがその力を十分に発揮できる環境づくりが大事なのだという。

 「自らの専門的なスキルだけでは、視野が狭くなっていきます。専門外の他者のスキルも認め、〝人と人とのつながり〟を大切にすることが大切です」

 円滑なコミュニケーションが取れることで、医師自身が、より柔軟な思考を持って医療を展開することができるという。

 「一人で悩んで先に進めない時は、すぐに周りに相談すること。小さなことかもしれませんが、常にこうした姿勢で医療に携われる環境をつくり上げていくことが、院長としての私の使命だと考えています」

医療法人聖仁会 西部総合病院
さいたま市桜区上大久保884 ☎048―854―1111(代表)
https://www.skmg.jp/seibu-hp/

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