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地域、職員が納得する 病院改革を推進

地域、職員が納得する 病院改革を推進

医療法人社団 重仁
理事長(まつもと・ゆうぞう)

1970年岡山大学医学部卒業。香川県立中央病院院長、社会医療法人光生病院名誉院長、
香川県病院事業管理者などを経て、2019年から現職。

 中四国地域の脳神経外科分野の発展に長年寄与して松本祐蔵氏が、2019年4月まるがめ医療センターの理事長に就任した。松本祐蔵氏の足跡と、就任にかける思いとは。「まるがめ医療センター」として再スタートを切ってから3年を迎えた当院の在り方について、話を聞いた。

創成期だった脳神経外科に入局

 外科系を志願していた松本氏は、神経系にも興味があったことから脳神経外科に入局。当時は、CTやMRIなどがなく、脳外科も神経症状や脳の血管造影から診断をする時代だった。

 「当時新しい診療科だったこともあり、同科の医師たちは活気に満ちていました。また日本の脳神経外科分野は米国の脳外科を手本にしていたことから、教授の推薦を経て米国留学もさせていただきました」

 この時期、岡山大学病院のほか、岡山済生会病院、川崎医科大学病院を経験したのち、専門医の資格も取得している。

 「当時は脳神経外科医が少なく、どこに赴任するにも一人か二人という状況でした。そんな折、尾道市立市民病院で脳神経外科の立ち上げに加わることに。ここで初めて一つの診療科の運営という、貴重な経験を積むことができました」

 このまま尾道市で仕事を続けるつもりでいたところ、4年後、香川県の県立中央病院に脳神経外科部長として赴任。院長まで務め、その後は岡山にある光生病院の名誉院長、香川県病院事業管理者の任を経て、今回の理事長就任となった。

丸亀市民のために再スタートを図る

 まるがめ医療センターは、その前身である麻田総合病院が診療報酬の不正請求問題で保健医療機関の指定取り消し処分を受けたことから、2017年医療法人社団重仁会グループの一員に。現名称に改名と同時に再スタートを切った。

 「麻田総合病院は、香川県西部の中核病院としての役割を長い間担ってきました。香川県としても何らかの形で継続が図れないか模索していたところ、重仁会が手を挙げたという経緯があります。私としても、少しでも丸亀市民のお役に立てればという気持ちで引き受けました」

スタッフが誇りを持って働ける病院づくり

 平たんではなかった歴史を経て、どんな病院作りを目指すのか。

 「病院の継続にあたり職員は、たいへん苦労しました。だからこそ彼らが誇りを持って働ける病院にしたいという思いがあります。職員の育成や研修など人材育成に注力したい」

 さらに縦割りになりがちな組織に改善するべく、各科間、多職種間の連携がうまく機能するよう、組織図を見直し、院内の委員会も再編。すべての情報が職員に行きわたるようにした。

 「以前は経営的にも厳しい状況がありましたが、前青木伸弘理事長のご尽力もあり、現在は黒字経営へと転換しています。職員にも経営状況もオープンに話すことで常に問題の共有ができるように心がけています。院長はじめ私と同時期に着任した新事務局長とも力を合わせ、職員が納得して働いていける体制づくりに努めたい」。その言葉からは、組織が一丸となって経営改革に取り組んできた様子が伺える。

 さらに、10月には在宅療養後方支援病院の届け出を行い、地域の先生方とのつながりを強化。在宅患者さんの緊急時の受入体制を整えている。人生100年時代と呼ばれる今、単に命を生かす医療から、高齢者機能をいかに保存するかという医療へのシフトも必須の課題だ。

 「今後は、行政、医師会、地域医療機関との連携の中で、入院、外来、リハビリテーション、健診事業の強化、をさらに推進していきたいと思います」

医療法人社団 重仁 まるがめ医療センター
香川県丸亀市津森町219 ☎︎0877―23―5555(代表)
http://jyujin-mmc.jp/

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