九州医事新報社 - 医療・医学の〝今〟を伝えて62年

地域、患者さんに 近いところで医療を

地域、患者さんに 近いところで医療を

公益社団法人福岡医療団 たたらリハビリテーション病院
院長(いわもと・たろう)

1989年九州大学医学部卒業。
公益社団法人福岡医療団千鳥橋病院、同たちばな診療所長、同田川診療所長、
同城浜診療所長などを経て、2018年たたらリハビリテーション病院、2020年から現職。

12年の診療所経験 現場に寄り添った自負

 5歳から鹿児島市で育ったが、出身は奄美大島。「医師になった原点の一つは、奄美に生まれたことでしょうね」と振り返る。

 50年ほど前の奄美大島。県立大島病院のほか、いくつかの病院・診療所があったが、当時は道路も現在ほど整備されておらず、医療機関まで車で2時間かかる地域もあった。

 「地域医療について、詳しく知っているわけではなかったけれど、住む場所などによって医療を受けにくい人がいるということは、理解していました。地域に近いところ、患者さんに近いところで医療をやりたいと思ったことが、医師を志した理由です」

 九州大学医学部を卒業した後、福岡医療団千鳥橋病院に入職したのも、同じ思いから。法人内の診療所での所長経験は、通算12年。現場に携わってきた自負がある。

 「院長になった今は、現場の細かい部分を見過ぎず、院長として全体を見ることに、重点を置こうと意識しています。まだまだかな、と思いますけどね」と笑う。

目線を合わせ言うことを遮らない

 医師として大事にしてきたのは、「患者さんに会う」ということ。回診の時間だけでなく、始業前などにも病室に顔を出してきた。

 「きっかけは、学生時代に聞いた、ある先生の言葉。学生と、民医連の医師やスタッフとの交流の場で、『医師は忙しい中で、どう患者さんに向き合っているのか』という趣旨の質問が学生から出た際、『診療時間ではなく、朝などに患者さんに会うようにしている』と答えた先生がいたのです。それを聞いて、私も、まねしたいと思いましたね」。できるだけ目線を合わせ、患者の言うことを遮らず聞き、状態を知る―。医師になってから30年続けてきたことを、今後も守り続けたいと考えている。

 同時に、院長として、職員に相対する姿勢も、「目線を合わせ、遮らない」を心がける。「これからという段階ですが、職員全員で頑張れるような目標を、わかりやすい形でつくり、伝えていきたい。同時に、現場からの提案も、どんどん聞き、思いが実現できる組織にしていきたいと考えています」

院内感染を防ぐ コロナを広げない

 新型コロナウイルス感染症の拡大期と、院長着任が重なった。「高齢の患者さんが多く入院する慢性期の病院です。院内感染を防ぐために、新型コロナを病院内に入れない、入ってもすぐに拾い上げることを目標に、対策を取ってきました」

 同じ法人内の急性期病院「千鳥橋病院」と役割を分担し、発熱などの症状があり感染の可能性がある外来患者は、千鳥橋病院を受診するよう促した。1人のスタッフが複数の病棟を担当すると、感染者が出た際に拡大範囲が広くなることから、職員の担当病棟も固定。そのほか、面会制限や消毒といった標準防護策も徹底した。2020年9月末時点で、職員・患者の新型コロナ感染判明はなく、通常通り、病床を稼働させることができている。

 「ただ、新型コロナの影響がまったくないわけではありません。進めたいと思っていた開業医の先生方との連携強化は思うように進んでいませんし、地域の方との交流の場である年1回の健康まつりも、今年の開催は難しいでしょう。でも、なんとか機会を設け、目指す病院像を実現したい」。当面続くと予想される、新型コロナ対応の日々を見据え、考えを巡らせている。


福岡市東区八田1ー4ー66 ☎092ー691ー5508(代表)
https://tatara-reha.jp/

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