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在宅ホスピスフェスタ2019 逝き方から生き方を学ぶ~今 知っておこう在宅ホスピス~

在宅ホスピスフェスタ2019 逝き方から生き方を学ぶ~今 知っておこう在宅ホスピス~

 3月24日、エルガーラホール(福岡市中央区)で「在宅ホスピスフェスタ2019」が開かれた。テーマは「逝き方から生き方を学ぶ~今 知っておこう在宅ホスピス~」。看護師やケアマネジャー、市民ら約400人が来場。想定を超える聴講者が詰めかけた基調講演の会場では、急遽イスを追加で設置するなど、関心の高まりがうかがえた。

ミニ講座から用具展示までさまざまな在宅のヒントを

 「在宅ホスピスフェスタ」は例年3月の開催で通算11回目。主催の福岡県とふくおか在宅ホスピスをすすめる会は、2007年から協働して在宅ホスピスボランティアの養成や在宅ホスピスの啓発に取り組んできた。

 「在宅」への関心が高まる中、福岡県は県内のすべての保健福祉(環境)事務所に地域在宅医療支援センターを設置するなど、誰もが安心して在宅で療養できる地域づくりを進めている。

 この日、会場では在宅での管理栄養士や薬剤師の役割を紹介するミニ講座、人生の最期にどうありたいかなど「もしものための話し合い(もしバナ)」を「もしバナカード」を使ったゲームで体験するワークショップ、福祉用具の展示など、さまざまな「在宅を知るヒント」が用意された。


望む場所で「生ききる」かなえるために必要なのは

宇都宮宏子氏の基調講演とシンポジウムでは手話通訳も活用

 基調講演の講師は、京都大学医学部人間健康科学学科非常勤講師、日本ホスピス・在宅ケア研究会理事などを務める宇都宮宏子氏。演題は「身終い~人生の終え方  あなたの思い、聞かせてください~」。

 望む場所で、尊厳ある死を迎えるそのときまで「生ききる」。患者の要望をかなえる上で大切なことの一つが、意思決定能力の低下に備えてあらかじめ医療やケアについて話し合っておくアドバンス・ケア・プランニング(ACP)だ。

 国による「2017年度人生の最終段階における医療に関する意識調査」ではACPを「知らない」「聞いたことはあるがよく知らない」との回答が9割超。今後の普及が課題だ。

 「ACPは人生会議とも呼ばれているが、すぐに結論を出さなくてもいい。思いが揺れるのは当然。そこに寄り添って〝生ききる〟こと
                を支えるのが、私たち在宅の専門家の役割」。 


シンポジウムの様子

 続くシンポジウムには宇都宮氏、みどりの杜病院(福岡県八女市)の原口勝院長、在宅で看取りを経験した患者の家族らが登壇。進行を担当した齋藤醫院の齋藤如由院長は「患者には選ぶ権利がある。在宅で過ごしたいという思いを打ち明けていいのだと、ケアマネジャーや訪問看護師は本人や家族に伝えるべき」と語った。

 社会資源としての在宅支援は環境整備が進んでいるが、活用のノウハウはまだ十分に共有されていない。宇都宮氏が基調講演で強調したように「医療者と市民が手を取り合うこと」が不可欠だ。


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