九州医事新報社 - 地域医療・医療経営専門新聞社

国内をリードしつつ 地域にも目を向ける

国内をリードしつつ 地域にも目を向ける

国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター病院
阿部 康二 病院長(あべ・こうじ)
1981 年東北大学医学部卒業。
米ハーバード大学神経内科学教室留学、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科
脳神経内科学講座教授などを経て、2021 年から現職。

 国立精神・神経医療研究センター病院の新病院長に就任した阿部康二氏。二つの研究所と共にナショナルセンターを構成し、国内の精神、神経医療をけん引する同病院を、これからどう率いていくのか。


四つのスローガンで独自カラー着々
 
 23年過ごした岡山の地を離れ、東京都小平市の国立精神・神経医療研究センターへと活躍の場を移した。病院長就任の際に四つのスローガンを掲げ、着実に独自のカラーを出しつつある。

 一つ目のスローガンは「地域に愛される全国区病院」。同院は精神・神経疾患の臨床や研究において国内を代表する施設であり、全国から患者が集まる。一方で周辺地域からの患者も多く、地域と全国、双方に目を向ける必要がある。そこで施策の一つとして、まずは院内にあった「医療連携室」の名称を「地域連携室(患者サポートセンター)」に変更。地域に寄り添い、患者を支える姿勢を、名称の点から打ち出した。

 二つ目は「明るく患者さんに安心してもらえる病院」だ。同院は緑あふれる広大な敷地を抱えているが、巨木が多く、時には寂しげな印象も与えるという。そこで、着任後、自らも汗を流して玄関前のロータリーに花壇を整備。色とりどりの花で、病院入り口に明るさを加えた。

 「当院には精神疾患の患者さん、難治性の神経疾患を抱えた患者さんが多くお見えになります。長期の療養でふさぎがちになる方にも、病院に来た時は、明るい雰囲気の中で安心感を持ってもらいたい。院内でも患者さんファーストを心がけ、明るく安心できる環境をつくりたいと思っています」 

 三つ目は「日本と世界をリードする医療研究を提供する病院」。現在、センター病院に併設する二つの研究所と連携を密にしながら、先進的な研究に取り組んでいる。

 例えば脳神経内科の領域では、超高齢社会に伴い増加している認知症、パーキンソン病、脊髄小脳変性症、多系統萎縮症、多発性硬化症などの研究を推進。精神科では統合失調症、うつ、適応障害などに加え、近年増加する依存症に関する専門医もそろっており、同院の大きな強みの一つになっている。「今後もセンター病院の使命として、世界に誇れる研究、新たな治療法を開発したい」と語る。


ニーズの高さ実感 コロナ後遺症外来

 研究と同時に、診療面でも独自の取り組みが進む。その一つが「コロナ後遺症外来」の設置だ。2021年6月に開設。多くの患者が利用する。

 「新型コロナウイルス感染症の後遺症は、うつ、味覚や嗅覚障害、手足のしびれなど、当院が専門としている精神・神経系の疾患が多い。ナショナルセンターとして、国民が悩んでいる症状に正面から対応し、診療の面で貢献すると同時に、そこで得た知見を国内に広げる責任があると思っています」

 四つ目のスローガンである「健全経営で職員のやりがいがある病院」では経営を改善し、ハード面の環境なども整えながら、職員のモチベーションを高めたいと考えている。


「今日の医療」と「明日の医療」を

 「困っている人の役に立つこと」を信念に、臨床医としてだけでなく、研究者としても数々の功績を上げてきた阿部氏。その経験を、病院運営にも生かしたいと考えている。

 「医師は目の前の患者さんを助ける『今日の医療』と、10年後などを見据えて研究する『明日の医療』を頑張らなければいけません。個人的にも、病院全体としても、一人でも多くの患者さんを手助けできるような研究や治療を進めたいですね」


国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター病院
東京都小平市小川東町4-1-1 ☎042ー341ー2711(代表)
https://www.ncnp.go.jp/hospital/

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