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周術期管理を徹底 入退院をトータルで支援

周術期管理を徹底 入退院をトータルで支援


教授(もりまつ・ひろし)

1993年岡山大学医学部卒業。
豪オースティンメディカルセンター留学、岡山大学病院麻酔部講師、
同周術期管理センター講師などを経て、2013年から現職。

 1965年に開講した岡山大学麻酔・蘇生学。2008年には、麻酔科医、外科医を中心に、手術を受ける患者の術前から術後までを効率的に管理する周術期管理センターPERIO(ペリオ)を設立。麻酔科医としてさらなるイノベーションを目指す森松博史教授に話を聞いた。

―周術期管理センターPERIOとは。

 2018年に10周年を迎え、この節目の年に、初期メンバーらの異動、ペリオの院内移転が重なりました。2019年は、新しい環境のもと新メンバーと次のステップへ向かって、〝新生ペリオ〟をスタートさせたところです。

 スタートした頃は、「周術期管理」という言葉はほとんど使われておらず、麻酔科医と言えば、「ただ麻酔をする者」といった認識が一般的でした。

 この10年間、周術期管理に取り組んできたことで、術前・術中・術後の患者さんを管理することは「必要なこと」として定着しました。十分な成果も出しており、良い組織になってきていると思います。ただし、現状に満足せず、新しいトライアルを今後も続けたいと思っています。

 今後は内科系、外科系と区切らず、すべての患者さんの入退院をトータルで支援する体制を整えるべきだと考えています。大学病院では各科が同じことを別々の方法で実施しています。すべての患者さんに対して、周術期から入退院支援まで、同じフォーマットで、同じ情報が流れるようになれば効率も上がります。

 さらに入退院支援を通して、患者が退院した後のフォローや長期的な予後についても関われる体制を実現させたいと思っています。

 もちろん麻酔科だけで実現できることではありません。私たちは外科系だけでなく、内科系の先生とも集中治療を通してつながりがあります。これまで培ってきた信頼関係を礎に、組織を改革統合できるチャンスがあると思っています。

―教室の特徴は。

 臨床・教育・研究の「すべてにおいて頑張ってほしい」と、医局のメンバーにはいつも伝えています。

 大学病院に勤務している医師である以上、三つとも実践することは使命だと思っています。偏り過ぎたり、一つが欠けたりしても、大学の教室として成り立ちません。ある分野に突出していなくてもいい。バランスよく取り組むことで、各分野で活躍できる医師を育成したいと思っています。

 医師になって長年、一つの分野だけに偏ってしまうと、壁にぶつかり、限界を感じることがあります。そのような時には研究や教育の分野に目を向けてみると、まだまだできることがあるし、やりがいを感じることに出合える。医師自身が〝ハッピーに働き続ける〟ためにも、バランスは大切です。

―留学生の指導も行っているそうですね。

 担当の指導医はいますが、留学生の日本語の力を踏まえて週に2日、英語でディスカッションする時間を設けています。

 私も留学していた時、ボスに手間をかけてもらいました。彼は私にいつも「君をハッピーにしたい」と言ってくれていました。

 私もまねをして、「僕の仕事は君たちを幸せにすること。何でもサポートするよ」と伝えています。

 留学生の中心は中国から。この取り組みが国際交流の一つとして将来につながればとの思いがあります。今後も続けていきたいと考えています。

―今後の展望は。

 がん治療などは急速に進化しています。ところが、麻酔科の薬や技術について、実は画期的な進歩はほとんどありません。新技術、テクノロジーの開発など、麻酔科にもイノベーションを起こしたい。そのためにも研究を続け、新しいものを生み出したいと考えています。

岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 麻酔・蘇生学
岡山市北区鹿田町2―5―1
☎086―223―7151(代表)
http://www.okadaimasui.com/

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