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呉市民のために最良かつ優しい医療を

呉市民のために最良かつ優しい医療を

国家公務員共済組合連合会 呉共済病院 寺坂 薫病院長(てらさか・かおる)
1982年岡山大学医学部卒業。岡山協立病院、津山中央病院、姫路中央病院などを経て、
2019年より現職。

 地域の中核病院としての役割を担う呉共済病院。今後の病院運営についての抱負や次代を担う有能な医療従事者の育成について、2019年4月就任の寺坂薫病院長に話を聞いた。

―専門は脳神経外科です。

 医師として34年が過ぎました。脳神経外科専門医を取得後、脳神経外科手術は約7000例。そのうち脳動脈瘤(りゅう)600例、脳腫瘍・脊髄疾患500例、ガンマナイフなどを経験、指導、研修してきました。さまざまな手術を経験していることが、今に生かされていると思います。

 父親は内科の医師だったのですが、私は脳神経外科の道へ。「病気をクリアカットに治療できる」という点において、外科のほうが自分に合っていました。

 また外科の中でも、マイクロサージャリーといって顕微鏡を使用した手術が行われており、「より微細な手術ができる」ということに、やりがいを感じていたことも理由の一つです。

 手技のトレーニングとして、日常に取り入れていたのが箸の扱い方です。箸の「端の方」を持ち、利き手ではない左手で扱うこともしていました。

 脳外科の手術は決して難しいことはなく、箸が自由に使うことができれば可能です。日本人はもともとこういった手先の器用さがあるので、デリケートで微細な手術により適していると思います。

 ただし、最近の若い医師は、箸の持ち方が正しくない人が多い。まずは箸の正しい持ち方を教え、こういった箸を使ったトレーニングを積むことを、研修医に習慣化するよう伝えています。

 プロフェッショナルであり続けるための努力を、惜しまない姿勢を持ち続けてほしいと思います。

―現在の体制について。

 2008年以来、急性期医療・入院治療重視を掲げています。基本的に外来診療は開業医の先生にお願いし、検査や投薬、手術を当院の医師が取り扱う「ダブルドクター制」を推奨。地域連携を重視し、より専門性、急性期医療に特化した病院となっています。

 救急では昼夜問わず、外傷、消化器系、循環器系などさまざまな疾患を受け入れています。

 高度先進医療を実現するために、CT、MRI、血管撮影装置なども最新装置に更新。また、不整脈に対する血管内治療については、呉では唯一、アブレーション(カテーテルによる不整脈治療)が可能です。

 また2018年7月に起こり、甚大な被害を受けた西日本豪雨災害では、ライフラインの中断、通勤困難などにより、やむを得ず救急診療を縮小する病院がありました。その中で、当院ではスタッフの確保に努め、救急を受け入れ続けることができました。すべての職員が呉の医療、患者さんを守ろうという強い意志のもと、結束できたことを誇りに思っています。

―今後の展開は。

 当院で勤務して15年。私自身としては、よりバランスの取れた、脳卒中、リハビリテーション、認知症、頭痛などを含む、中枢神経疾患の治療を行いたいと思います。

 特に、中枢神経系の患者さんに対しては、診療科、部門の垣根なく、医師や看護士を含むすべてのメディカルスタッフとチームワークを発揮できる医療を実現し、より良い医療を目指していきたいと考えています。

 また、昨年の災害で一番学んだことは、職員の安全を守ること。職員が安全であれば人員を確保することができ、医療が継続できるということです。

 最終的な目標として、医療を通じて呉市民の人口を増やしたいと考えています。「呉共済病院は、呉市民のために存在する呉の市民病院である」という気持ちを、常に持ち続けること。スタッフには「最高の医療・優しい医療を提供する。患者さんの気持ちを共有する」ということを、今後も伝え続けていきたいと思います。

国家公務員共済組合連合会 呉共済病院
広島県呉市西中央2-3-28 ☎0823-22-2111(代表)
http://www.kure-kyosai.jp/

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