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名古屋市立大学大学院 医学研究科 加齢・環境皮膚科 光線療法の研究、臨床に貢献 地域の診療体制を構築

名古屋市立大学大学院 医学研究科 加齢・環境皮膚科 光線療法の研究、臨床に貢献 地域の診療体制を構築

森田 明理 教授(もりた・あきみち)
1989年名古屋市立大学医学部卒業。独デュッセルドルフ大学、
米テキサス大学サウスウェスタンメディカルセンターなどを経て、2003年から現職。
名古屋市立大学病院副院長兼任。

 皮膚疾患に対する光線療法の研究・機器の開発などに取り組む名古屋市立大学大学院医学研究科加齢・環境皮膚科教室。2003年から教授を務める森田明理氏は、光線療法の研究のみならず、地域の診療体制の構築などに尽力してきた。

―教室の特徴は。

 外科系と内科系のグループに分かれ、・治療に当たっています。外科系グループではメラノーマ(悪性黒色腫)、パジェット病、メルケル細胞がん、血管肉腫などに対する手術や化学療法を実施。内科系グループでは、乾癬(かんせん)、掌蹠(しょうせき)膿疱症、アトピー性皮膚炎、白斑、円形脱毛症、膠原(こうげん)病、皮膚リンパ腫などに対し、薬物療法を行っています。また、光線療法も内科系の大きな強みの一つです。

 教授に着任した2003年当時、教室のメンバーは約20人、関連病院も10程度でした。その後、人材育成、診療面の充実、地域の医療機関との連携強化などに取り組んできました。その結果、医局員は約60人、常勤の医師を派遣している関連病院は18まで増加しています。皮膚がんの手術件数も約5~7倍に増えました。地域に信頼され、地域を代表する施設になったと感じています。

―後進の育成について。

 若手が育つかどうかは、教室の発展において大きなポイントです。
 教室には中堅の医師もいますが、彼らに頼りきってしまうと後輩たちが成長できません。そこで、できるだけ多くのことを若手に任せ、チャンスを与えるように心掛けてきました。中堅の医師たちにはサポートなどの負担もありますが、それぞれの成長にもつながります。結果として、多くの若手が活躍できる教室として認知されてきたことで、人数が増えてきたのではないかと思います。

 また、大学病院と関連病院を行き来するような後期研修プログラムを用意しています。一般病院で幅広い診療科をカバーし、大学病院では希少性の高い疾患などを診ることで、多くの経験が得られます。若手の医師には、専門医の取得だけを目標にするのではなく、総合的な視野をもったレベルの高い皮膚科医になってほしいと願っています。

―光線療法の研究に取り組んでいます。

 アトピー性皮膚炎、乾癬や掌蹠膿疱症などに用いる光線療法は、伝統的に力を入れてきました。光線療法の皮膚への有効性と有害性を分子レベルで探究し、臨床への応用・治療機器の開発も行っています。現在、国内で発売されている皮膚科用の光線治療機器の中に、私たちが開発に携わったものが数多くあります。

 ノーベル物理学賞受賞者の天野浩・名古屋大学教授と共同研究した成果として、2021年、紫外LEDを用いた新たな機器が発売される予定です。今後も光線療法の研究を継続し、現状の薬物療法よりも比較的安価で安全な治療法を確立すること。そして、難治性の病気の治療にも生かしていきたいと思います。

―今後の目標について教えてください。

 外科系グループでは手術の件数が順調に伸びており、内科系グループも地域のニーズに応える医療を提供しています。この体制を今後も継続しながら、同時に丁寧な診療を忘れないことが大切です。患者さんを抱えすぎて、さまざまな面で雑になってはいけません。教室のメンバー全員で一つずつ丁寧に取り組みたいと思っています。

 個人的には「生涯現役」が目標です。皮膚科は医師としての寿命が比較的長く、続けるほど経験を積むことができます。ただ、年齢を重ねると、どこかでモチベーションが下がる可能性もある。そのようなことがないよう、医師の道を歩み始めた頃の初心を忘れずに、研究も続けながら、できるだけ長く患者さんを診たいと考えています。

名古屋市立大学大学院医学研究科 加齢・環境皮膚科
名古屋市瑞穂区瑞穂町川澄1 ☎052―851―5511(代表)
http://www.med.nagoya-cu.ac.jp/derma.dir/index

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