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名古屋市立大学大学院医学研究科 整形外科学分野 医師派遣で高校球児を支援 救急外傷とスポーツ医学で社会貢献

名古屋市立大学大学院医学研究科 整形外科学分野 医師派遣で高校球児を支援 救急外傷とスポーツ医学で社会貢献

教授(むらかみ・ひでき)
1993年金沢大学医学部卒業。米エモリー大学脊椎センター留学、
金沢大学医薬保健学域医学類機能再建学(整形外科学)准教授、
タイ・コンケン大学客員教授などを経て、2019年から現職。

 2019年2月、名古屋市立大学大学院整形外科学分野教授に就任後、村上英樹氏は、自由闊達(かったつ)な医局運営を柱に、新たな施策を次々と打ち出している。その中の一つ「愛知県高校球児応援プロジェクト」は、コロナ禍における高校野球大会の新たな運営方法として注目を集めた。

―医局の特色は。

 愛知県には四つの大学に医学部があり、それぞれが切磋琢磨(せっさたくま)しています。当医局が存在感を出すためには、独自のカラーを打ち出さなければなりません。そこで私は就任後に「1に臨床、2に社会貢献、3に教育、4に研究(特に臨床)」という基本指針を立てました。

 私の専門は脊椎がんですが、救急外傷とスポーツ医学に力を入れています。私の就任以前は、救急患者の受け入れがなかったのですが、今後予想される南海トラフ地震への対応を含め、地域にとって救急外傷は不可欠なものです。そこで専門の外傷グループをつくり、救急科と協力しながら診療に当たっています。大学病院では2025年に救急・災害棟が完成する予定ですので、その準備としても救急外傷には注力したいと思っています。

 スポーツ医学の面では2020年4月に「運動器スポーツ先進医学寄附講座」を開設しました。ここでは主にスポーツ選手を近くで支えるチームドクターを養成したいと考えています。アマチュア・プロを問わず、東海地区はスポーツが盛んです。この取り組みは社会貢献の側面からも重要なものになるでしょう。

―愛知県高校球児応援プロジェクトについて。

 新型コロナウイルスの影響により、2020年は夏の全国高校野球選手権が中止になりました。一方、各県の高野連が独自に代替大会を開くことは可能となり、われわれも愛知県大会の開催に協力したいと考えたのがきっかけです。

 このプロジェクトでは、全試合・全球場に医師をボランティアで派遣し、熱中症やけがなどの医療面で球児たちをサポート。また、感染対策として当医局に備蓄していたマスク1万枚と消毒液1000本を県高野連に提供し、安全、安心に大会を実施できるような体制を整えました。

 決勝戦までに派遣した医師の総数は100人超。もちろん医局の医師だけでは足りませんので、連携病院やクリニックの先生方にも多数協力していただきました。今回のプロジェクトは、地域のスポーツを応援することによる社会貢献に加え、医局の一体感や、地域医療機関とのつながりを高める効果もあったと実感しています。

 さらに、球場内で発生した傷害などのデータは、寄附講座の仕事として分析・発表する予定で、臨床研究の面でも意味があったと感じています。

―今後の医局運営は。

 「家族のような医局」を理想としています。若い人にとって、医局という存在は少し煩わしいかもしれません。しかし、将来もし自分が困った時、本当に頼れるのは医局のつながりであり、これは家族の存在と同じです。医局員たちには仲間を家族だと思い、助け合いながら楽しく成長してほしいと願っています。

 もう一つ、私自身が心がけているのは「威厳のない教授」。具体的には、誰でも私に意見を言いやすい環境づくりです。

 若い医師は良いアイデアを数多く持っていますが、私の威厳が強すぎると怖がって話せないかもしれませんし、それで医局全体の風通しが悪くなる可能性もあります。だからこそ、こちらからフランクに接して、いつでも気軽に意見の言える雰囲気をつくっておきたい。

 チーム医療を進める上でも、これは大切な関係性だと思っています。医局員たちは自由に意見を言い、私はそれをおおらかに受け入れる。まさに「自由闊達」な医局を目指したいですね。


名古屋市瑞穂区瑞穂町川澄1 ☎️052―851―5511(代表)
https://www.ncu-ortho.jp/

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