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厳しい情勢は改革の好機

厳しい情勢は改革の好機


病院長(みまた・ひろみつ)

1984年大分医科大学(現:大分大学)医学部卒業。
米エール大学留学、大分大学医学部腎泌尿器外科学講座教授、
大分大学医学部附属病院副院長などを経て、2020年から現職。

 2020年4月1日付で、大分大学医学部附属病院長を拝命した三股浩光です。専門は泌尿器科学で、腹腔鏡手術やロボット支援下手術をはじめとする低侵襲手術の開発や尿路悪性腫瘍、排尿機能障害、慢性腎不全等の診療・研究に携わってきました。2020年度に腎泌尿器外科学教授を辞し、病院長専任となっています。

 本院は、1981年4月に、大分医科大学医学部附属病院として開院し、2021年には開院40周年を迎えます。開院時の321床から、現在は618床に増床。2010年から取り組んできた再整備事業は、2019年にようやく完成し、低侵襲で高度な先端医療を推進すべく、手術室を15室に増やし、腹腔鏡手術専用室やハイブリッド手術室を造りました。

 今後は、ロボット支援下手術や血管内治療等がますます盛んに施行されると思われます。

 医学部は、1982年、国内で初めて臨床医学系講座として臨床薬理学講座を設置し、同講座が中心となって臨床薬理センターや治験管理センター、総合臨床研究センターを設置し、臨床研究の推進と新薬の開発に努めてきました。

 2015年に設置された認知症先端医療推進センターでは、地域住民の方や行政の協力のもとに、PET―CTを駆使した認知症の早期診断法や治療薬の開発を進めており、地域に密着した先端医療を展開しています。

 高度救命救急センターは、2012年から稼働し、ドクターヘリも運用されました。大分県のほぼ全域から約30分で緊急患者を搬送できる態勢になっており、県民の皆さまの命を守る最後のとりでとして活躍しています。

 高度な先端医療は、高額な医療機器や高額な薬剤が用いられ、収入は大幅に増加するものの、医療材料費や人件費も大幅に増加し、特定機能病院はどこも増収減益の状況です。

 これまでは、若い医師たちの献身的貢献によって大学病院の経営は維持されていましたが、働き方改革により、従来の手法が通用しなくなった上に、新型コロナウイルス禍に襲われました。

 今般の新型コロナウイルス禍は医療界や経済、社会に重大な影響を与え、多くの大学病院では数億円規模の減収が見込まれています。第2波、第3波の襲来に備える必要があり、また患者の受診控えは今後も続くものと思われます。

 このように厳しい状況ではありますが、私は大学病院を改革する絶好の機会であると前向きに捉えています。

 まずは、3密(密閉、密集、密接)を回避する環境をつくることが、最優先課題です。再来患者の逆紹介推進や予約の午前・午後への分散などにより、外来診療を見直し、待ち時間の短縮と病院前の道路渋滞、駐車場の問題などの解決に向けて努力したいと思っています。

 そしてポスト・コロナの時代は、医療だけでなく、社会のあらゆる分野で新しい対応が求められます。情報端末を利用したWEB会議やオンライン診療、テレワークなどが加速度的に進展するものと思われ、本院もこれらに対応すべく検討を進めています。

 本院はこれまで病病連携に取り組み、地域中核病院との連携や卒後臨床研修や専門医制度の教育プログラム構築に力を入れてきました。

 これらの取り組みにより、大分県内の多くの病院と協力体制を構築できていますが、今後は病診連携も推進し、プライマリ・ケアを行っている診療所やクリニックなどの医療機関との連携強化を図っていく予定です。

 2018年、大分大学医学部医師会が設立されました。大分県内の各郡市医師会と交流し、医師会会員の生涯学習や地域住民への啓発活動などについて忌憚(きたん)のない意見交換を行う予定です。病病連携と病診連携を推進して、地域医療に貢献していきたいと考えています。

大分大学医学部附属病院
大分県由布市挾間町医大ケ丘1-1 ☎️097-549-4411(代表)
http://www.med.oita-u.ac.jp/hospital/

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