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千葉大学大学院医学研究院 臓器制御外科学教室 高難度手術、地域医療担う人材育成に注力

千葉大学大学院医学研究院 臓器制御外科学教室 高難度手術、地域医療担う人材育成に注力

教授(おおつか・まさゆき)
1988年千葉大学医学部卒業、ベルギー・ルーバンカソリック大学留学、
千葉大学医学部附属病院講師などを経て、2016年から現職。
同大学医学部附属病院副院長兼任。

 1889年に創設された第一外科教室をルーツとして、130年余りの歴史を誇る千葉大学の臓器制御外科学教室。肝胆膵(すい)外科領域の高難度手術で国内有数の実績を誇るほか、人材育成でも先進的かつ効率的なプログラムを展開している。

―教室の特徴は。

 当教室は大学病院で肝胆膵外科と乳腺・甲状腺外科を担当していて、これを基盤として診療・研究・教育を行っています。

 肝胆膵外科はがんの治療を中心に、外科治療が必要な良性の疾患から肝移植まで幅広くカバーしています。当教室では日本肝胆膵外科学会で定められた高難度の手術を年間150例ほど実施しています。

 また、切除できるかどうかで患者さんの予後が大きく変わる膵臓がんに対しては、化学療法で腫瘍を小さくしてから切除する「コンバージョンサージェリー」を行っています。膵臓がんだけでなく、胆道がんにも治療戦略の一つとして取り入れていて、当初は切除不能と言われていた症例でも、切除可能な症例と遜色ない成績を上げることができています。

 乳腺・甲状腺外科では、乳がんや甲状腺がんの手術に加え、これまで乳房温存手術も数多く手掛けてきました。最近では乳房再建手術にも力を入れており、当教室の長嶋健・診療教授がセンター長を務める「ブレストセンター」で、形成外科を含めた多職種が関与して手術に取り組んでいます。

―後進の育成に関しては。

 大学病院として先進医療を担うだけでなく、地域医療に携わる人材を育成するために、緻密で段階的な研修プログラムを用意しています。まずは初期臨床研修修了後4年間の前期研修。大学病院だけでなく、千葉県内外に約30施設ある関連病院でも外科の基礎を学びながら、手術を中心とした治療に従事します。研修が終わる頃には、外科専門医を取得するための手術症例経験を十分に満たせるプログラムになっています。

 前期研修が終わった後は主に臨床系の大学院に進み、大学病院での診療に携わりながら臨床研究を行います。希望する場合は、2年間基礎系の教室で研究に取り組むことも可能です。4年間研究に注力することで、医師としての視野を大きく広げられるのではないかと考えています。

 大学院を卒業した後は、さらに2年間の研修があります。ここでは再び関連病院へ出向いて研さんを積みながら、外科系領域のサブスペシャルティを取得するための訓練を受けます。最終的に一連のプログラムを修了した医師は、地域医療を担う一員としてどのような場所でも活躍できると考えています。

―地域医療を巡る現状の課題と、今後の目標は。

 千葉県の場合、千葉市、船橋市、柏市などは人口が多く、病院の数もある程度充足しています。一方、南房総地域などは病院も医師の数も少ない。この地域への赴任は若い医師も敬遠しがちな印象があり、悪循環に陥っているのではないかと感じています。

 当教室は南房総地域などにも関連病院があり、研修を含めて医師を派遣していますが、根本的な解決には至っていません。今後は県全体で課題を共有して、どの地域でも最適な医療を提供できるような形を模索していきたいですね。

 外科医は切除することで病気を治すことが基本的な仕事です。肝胆膵の領域でも今後はゲノム解析などを活用した個別化治療が進むことが予想されますが、当面の間は外科治療が中心になると思っています。

 従来の仕事である外科治療をベースに集学的治療も行いながら、患者さん一人ひとりに向き合ってそれぞれの患者さんに最善の治療を提供していきたいですね。私自身もできる限り手術を行って、患者さんの予後の向上に最大限の努力をしたいと思っています。


千葉市中央区亥鼻1―8―1 ☎043―222―7171(代表)
https://www.m.chiba-u.ac.jp/dept/zoukiseigyo/

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