急性期医療を中心に機能充実を図っていく
千葉県習志野市で、中核病院としての役割を担ってきた津田沼中央総合病院。2019年12月、創立40周年を迎えた。西田勝則院長に、これまでの病院の歩みと、これからの構想について話を聞いた。
―津田沼中央総合病院の歩みを聞かせてください。

1979年に108床で開院しました。現在は300床にまで規模を拡大しています。
当院には、これまで少なくとも二つの大きな転機がありました。一つ目は2003年。この年、初代院長からこの病院の運営を引き継いだ私は、それまでの慢性期医療中心の病院から、手術など急性期医療を中心とする病院への転換を図りました。
当時、市内に急性期の患者さんを中心に受け入れている病院がそれほど多くなく、需要の高さを感じていました。そこで、「われわれが頑張ろう」と思ったのです。
つてをたどり、外科系の医師を採用。就任当初18人だった医師は、現在60人に増えました。うち10人は臨床研修医です。
教育にも力を入れる方針で、研修医のほか、年間延べ200人の看護実習生を受け入れています。「指導する」ことが、教える側の知識・技術の整理や学び直し、ブラッシュアップにもつながっています。
看護師や薬剤師の数も順調に増えています。スタッフの数の充足は、より良い医療、働きやすさ、離職率の低下にもつながります。長く勤務できる環境の整備を目指しています。
―二つ目の転機となった時期と事柄は。
2017年の健診センターの拡充です。
人間ドック受診者の増加に伴い、健診センターの拡張工事を実施。人間ドックの件数は2018年度が約7000件、2019年度は8000件を超えるペースで推移しています。
同じ時期に内視鏡検査ができるスペースも広げ、病気の早期発見、早期治療につなげています。胃・十二指腸内視鏡、大腸内視鏡による検査の件数は、年間5000件から年8000件に迫るまでになりました。治療も、内視鏡的切除、手術と、患者さんの状態に応じて選択しています。
―回復期リハビリテーション病棟も有していますね。
当院では一時期、訪問診療も担っていました。ただ、当院の急性期の患者さんが増えたことや、近隣の無床診療所で在宅医療に力を入れる施設が出てきたことを鑑みて、在宅は地域の開業医の先生方にお任せし、入院時の医療に特化、集中することにしたのです。
回復期リハ病棟では、手術など急性期の治療は終えたものの、すぐに在宅復帰が難しい患者さんに365日体制でリハビリを提供しています。安心してご自宅や施設に戻っていただけるよう、役割を果たしていきたいと考えています。
―今後の病院の在り方や未来像については。

「急性期医療を中心に据える」。これは、今後も変わりません。外来、手術、検査部門の充実を図っていく方針です。
2020年には、第2別館、第3別館の完成を予定。眼科、形成外科の常勤医が入職し局所麻酔による手術の件数が増えているのに伴い、専用の手術室を整備します。全身麻酔用の手術室と合わせて、手術室は計3室から4室へと増えます。
さらに、救急や放射線検査のスペース、職員の食堂や更衣室などもつくる予定です。機能を充実させ、より良い医療と職場環境を提供したいと考えています。
医療法人社団愛友会 津田沼中央総合病院
千葉県習志野市谷津1―9―17
☎047―476―5111(代表)
http://www.tcgh.jp/