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医療・介護連携で超高齢社会を乗り切る

医療・介護連携で超高齢社会を乗り切る

一般社団法人巨樹の会 小金井リハビリテーション病院 金 隆志 院長(きむ・りゅんじ)
1977年昭和大学医学部卒業。
同大学医学部整形外科入局、蒲田リハビリテーション病院などを経て、2012年から現職。

 カマチグループが都内で2番目に開設した回復期リハビリテーション病院。「病だけではなく人をみる」をモットーに、患者さんが人間らしく生きるために何ができるかを模索し続けている金隆志院長。8年目を迎えた病院の現状や今後の展望について尋ねた。

―病院の特徴や強みを聞かせてください。

 当院は神経内科医4人、整形外科医2人、心臓外科、脳外科にそれぞれ1人の医師が常勤しています。互いに連携しながらそれぞれの専門知識を生かすことで、高い治療効果を提供できる体制を整えています。

 都内にありながら近くに大きな公園がいくつかあり、緑豊かな環境です。リハビリガーデンも広く、気持ち良い環境でリハビリができるのも一つの特徴ですね。

 回復期リハビリテーション病院の患者さんの一般的な疾患別割合と比べると、当院は運動器疾患の入院患者数がかなり多い。患者さんのニーズに応えていたら自然とそうなっていました。整形外科の医師が2人いるため、信頼感もあるのでしょう。

 運動器疾患のリハビリは他の疾患のリハビリと比べ診療報酬の点数が低いですが、患者ニーズに応えることが最も大切だと思っていますので、一つ一つの点数が低いことは、さほど問題ではありません。

―地域における役割や他の医療機関との連携についてはいかがですか。

 近隣の急性期病院との連携は良好です。武蔵野赤十字病院、多摩総合医療センターのような大きな病院をはじめ、府中市の奥島病院など地域の病院からも多くの患者さんをご紹介いただいています。

 規模の小さな病院は、手術後の患者さんを長く受け入れていると次の手術をする患者さんの入院が受け入れられなくなってしまう。また、手術前後に長く入院するほど患者さんの状態も悪くなりがちです。高齢の患者さんが手術待ちで3日間寝たきりになると、認知機能の低下が始まってしまうこともあります。回転率を上げ、手術をしたらすぐにリハビリするという流れが重要なのです。

 効率よく数多くの手術をするには当院のような回復期の病院が受け皿として必要です。今は病院経営と患者さんの治療、どちらに対しても良い流れができており、近隣の病院にも喜ばれています。

―今後の展望や注力したいと考えていることは。

 当院は同規模の病院に比べて言語聴覚士が多く在籍しています。高次脳機能障害、嚥下(えんげ)機能の改善については、どこよりも高いレベルで実施したいと思っています。そのために、頻繁に外部から講師を呼んだり勉強会をしたりしていますね。言語聴覚士だけでなくスタッフ全員が意識を持ってこの問題に取り組んでいます。

 スタッフには常々「疾患だけを診るのではなく、その人の背景まで考えてリハビリをしてください」と言っています。患者さんが人間らしく生きるためにはどうすればよいかを念頭に置いています。

 例えば「胃ろう」について言えば、私自身としては、胃ろうは最終的な段階まで造設したくないと思っています。病院としては大変ですが、口から食べさせてあげたいんですよね。
 当院の患者さんの平均年齢は約75歳。高い在宅復帰率を誇る当グループではありますが、高齢化が進む中で本当に自宅に戻してもいいのかということを、最近よく考えます。

 患者さんがご自宅に帰った後、介護していくご家族も高齢であるということが多い。例えば90歳の人が自宅に戻ってから、70歳過ぎた息子や娘が介護するという状況ですから。

 とはいえ当院にずっと入院していただくこともできません。地域の介護施設との連携もこれまで以上に重要になってくるでしょう。この問題は社会全体で考えていくべきではないかと思っています。

一般社団法人 巨樹の会 小金井リハビリテーション病院
東京都小金井市前原町1―3―2
☎042―316―3561(代表)
http://www.koganei-rh.net/



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