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医療の原点を忘れず笑顔で多職種協働

医療の原点を忘れず笑顔で多職種協働

臼杵市医師会立 コスモス病院
下田 勝広 院長(しもだ・かつひろ)

1982年熊本大学医学部卒業。
大分医科大学第一外科(現:大分大学医学部消化器・小児外科)入局、
米国マサチューセッツメディカルセンター留学などを経て、2015年から現職

 大分県臼杵市で唯一の地域医療支援病院であり2次救急病院でもある「臼杵市医師会立 コスモス病院」。行政などとも緊密に連携を取りながら、地域医療に力を注いでいる。下田勝広院長に、話を聞いた。

─地域での役割について聞かせてください。

 臼杵市は現在人口約3万7千人、高齢化率40%弱の大分市に隣接する地域です。当院は、市内唯一の2次救急病院のため、地域医療の中で救急医療が大きな役割の一つとなっています。

 救急患者については、円滑な受け入れと初期診療に重点を置き、年間1000台を超える救急車を受け入れています。最近では、高齢化に伴う骨折や慢性疾患の急性増悪の患者さんが徐々に増加しています。高度急性期医療が必要な疾患は、連携する大分市の3次救急病院へ搬送となります。

 病床数は198床(急性期108床、地域包括ケア90床)です。急性期疾患の治療が終了してもすぐに在宅へ移行できない高齢者が多いため、地域の実情に合わせ地域包括ケア病床を段階的に増床しました。

 年度ごとに目標を立て、2018年度は「摂食、(えんげ)、口腔ケア、そして栄養」、2019年度は「認知症」、2020年度は「原点回帰」をテーマに取り組んできました。看護師、薬剤師、リハビリ、事務など多くの職種が関わり、少しずつではありますが、強化されています。今年度は、認知症看護認定看護師も誕生する予定です。

―地域包括ケアシステム構築に早くから取り組まれたことでも知られています。

 当院は、10年ほど前から、地域が一体となった地域包括ケアの実現を目指して頑張ってきました。厚生労働省の在宅医療連携拠点事業に手上げして、「在宅=Zaitaku」の頭文字「Z」を取って命名した「プロジェクトZ」を展開。現在は事業が臼杵市に継承され「臼杵市Z会議」となり、医療、介護、福祉など関連のさまざまな職種が行政と連携し、活発に活動しています。

 さらに、この地域包括ケア実現になくてはならない素晴らしいネットワークシステム「うすき石仏ねっと」を運営しています。全国的にも注目され、市内の登録者は現在、2万2千人を超えました。

 私自身は、ライフワークとして地域に積極的に出向いて住民の方々に医療啓発のための「健康講話」を行っています。高齢者が生活する環境の中で、地域の皆さんの思いをお聞きすることは学びや励みにもなり大きな楽しみです。

―近年、力を入れていることと今後について聞かせてください。

 この数年間、私が最も力を注いできたのが、人材の育成です。教育のためには、まず、役職者や上司自身が「後輩を育成するのにふさわしい自分であるのか?」を常に自問し、成長し続けなければなりません。昨年は外部ソースを活用した半年間のコーチングの研修を実施。私を含め幹部職員が受講しました。

 病院に限らず健全な事業継続のためには優秀な人材が必要です。2020年度は人事評価制度も育成に視点を置いて改訂しました。今後も、粘り強く改革を進めていくつもりです。

 「地域密着型の医療」とはよく聞く言葉ですが、ただ単に物理的に近くに存在するという意味ではなく、患者さんの思いや地域の課題を見逃さず医療を進めていくことが重要だと考えています。

 また、「顔の見える関係」も、懇親会で名刺交換し、面識があるというだけでなく互いの立場を理解した上で、笑顔で協働し、地域を支える関係性と理解しています。これまで以上に、地域に密着し、医師会の先生方はもちろんのこと、いろいろな方と楽しく連携し、地域医療を展開していきたいと思っています。

臼杵市医師会立 コスモス病院
大分県臼杵市戸室長谷1131─1
☎0972─62─5599(代表)
http://www.usukicosmos-med.or.jp/

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