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医師増員で巻き返しへ 地域包括ケア病棟も新設

医師増員で巻き返しへ 地域包括ケア病棟も新設


病院長(さとう・ひろし)

1985年浜松医科大学医学部卒業、同附属病院内科。
静岡市立静岡病院、米ロヨラ大学シカゴ校生理学教室、
浜松医科大学研修センターなどを経て、2018年から現職。

 医師不足による整形外科閉鎖をきっかけに、2015年「富士宮市地域医療を守る市民の会」が発足。病院、市、医師会、市民が協働で地域医療の維持に取り組んできた。その間、病院は病床転換や医師獲得などの手だてを講じ、体制を立て直してきた。今後の展望は。

―地域における役割や医療の現状は。

 二次医療圏のエリアは、ここ富士宮市と富士市の2市。当院は市で唯一の総合病院であり、救急指定病院、地域医療支援病院です。人口13万人の富士宮市と、富士市北部の一部、山梨県峡南地区の患者さんを引き受けています。
 
 数年前は医師の派遣が十分に得られず、2014年には整形外科が一時閉鎖に。2016年には小児科、2017年には泌尿器科の常勤医師がゼロになりました。
 
 最近では大学からの医師派遣が回復し、整形外科は医師4人体制に。2019年10月には病棟も復活しました。
 
 同じく昨年10月、京都府立医科大学から常勤医が派遣され、泌尿器科も再開。当院には前立腺がん治療に力を発揮する高精度放射線治療装置トモセラピーがあり、これも再び活用できそうです。
 
 小児科もこの春に増員予定で、5人体制になる計画です。人材確保に奔走してきたのが、やっと形になってきました。
 
 研修医も4月に5人、入ります。当院の研修医は一般採用と同じ扱いです。給与体系がしっかりしており、場所柄も良いため、毎回定員に対してフルマッチを実現できています。

―地域包括ケア病棟を新設。背景と展望は。

 整形外科の閉鎖後、病棟が空きましたので、その有効利用のために地域包括ケア病棟にシフトしました。
 
 5年が経過し、整形外科病棟の再開に合わせる形で昨年10月、30床の新病棟をオープン。今のところ、8~9割の稼働率です。
 
 新病棟1階にある地域医療連携室を介し、院内急性期病床からのポストアキュートが「3分の1」、整形外科のリハビリ対応が「3分の1」、院外からのサブアキュートが「3分の1」の割合で運用できればと考えています。レスパイト入院の問い合わせもいただいていますので、対応していければと考えています。
 
 富士宮市で地域包括ケア病棟を持つのは当院だけです。地域包括支援センターは6カ所あるのですが、回復期医療に十分に応えられているとは言えません。サブアキュートの患者さんをもっと積極的に受け入れたいものの、問題はやはりここでも人材不足。現在は脳神経外科と内科の医師を中心に運営していますが、本来は病院総合医を1人でも確保したい。ただ、なかなか難しいのが現状です。

―今後の見通しについて聞かせてください。

 まずは、急性期病院としての役割をしっかりと果たすこと。骨折などで夜間に救急車を呼ぶと静岡や御殿場まで搬送されるため、朝まで我慢される方や、手術のために搬送先からこちらに戻る方もいる。心苦しい限りですが、整形外科ではようやく昨年11月から夜10時まで受け入れ可能になりました。少しでも改善できるよう、考えていきたいと思います。
 
 そして、経営改善も大きなテーマです。新病棟建設や電子カルテ導入などの先行投資が膨らんだことで、財政的にかなり厳しい状況です。診療体制は徐々に整ってきましたので、なんとか収益を増やしたいところ。需要に応じて地域包括ケア病棟の病床数を増やすなど、新たな展開も考えていくつもりです。
 
 当院が得意とするのは、消化器系の腹腔鏡手術や肝炎治療。さらには循環器内科、腎臓内科なども強みです。これらを生かしつつ、より頼りにされる病院にしていきたいですね。

富士宮市立病院
静岡県富士宮市錦町3―1
☎0544―27―3151(代表)
https://fujinomiya-hp.jp/


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