九州医事新報社 - 医療・医学の〝今〟を伝えて62年

北海道医療大学病院 病院長 北市 伸義

北海道医療大学病院 病院長  北市  伸義

■ 楽しい話をしよう

 あけましておめでとうございます。2020年は、皆さま新型コロナウイルス対策に忙殺されたと拝察します。当院も非力ながら懸命に頑張っております。しかし、せっかくの新年の初めですので、ほんのいっときだけ新型コロナウイルスからはなれて、こんなときだからこそ、あえて楽しい話題を提供させていただきます。

■ 医科と歯科の境界は楽しい

 北海道医療大学は開学47年。医療系に特化した6学部を擁する全国有数規模の医療系総合大学です。世界中どこでも医学部と歯学部は独立しておりますので、その境界領域は意外と手付かずのテーマが残されています。日本の地方大学が世界と競うには狙い目です。

 例えばベーチェット病は全身疾患ですが、ほぼ100%に口腔内症状が出現します。われわれのこれまでの研究から、直接の発症要因として残された可能性は口腔内環境と推測します。ここで医科歯科共同研究の出番です。歯科の先生に口腔状態の評価や口腔内細菌についてお力を貸していただきます。

■ シルクロード諸国の調査は楽しい

 ベーチェット病は日本を含むシルクロード地域に偏在します。日本では免疫抑制薬や生物学的製剤の普及により重症患者が減ってきておりますので、冒険的側面も楽しみつつ各国で実際に診察して検体を採取します。

 2020年、モンゴル国で採取した患者と健常者の口腔内常在菌フローラの解析【図 ①】ではっきり違いが出ました。IL―10分泌に関わる口腔内常在菌です。世界で初めて、難病ベーチェット病発症の引き金の候補が見つかったことになります。

■ 良い医療を求める気持ちは同じ

 国によって文化・生活習慣・遺伝子・医療制度・政治的安定度もさまざまですが、良い医療を求める気持ちは同じです。われわれ日本人医師が世界の医学・医療に貢献できる1年になればと願っております。

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