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動線距離を「ゼロ」に 新設計でまちづくり参画

動線距離を「ゼロ」に 新設計でまちづくり参画


鹿児島市高麗町43―30 ☎099―250―5600(代表)
https://www.kthc-hp.com/

 鹿児島市の中心部で整備が進む複合施設「キラメキテラス」。医療法人玉昌会が運営する高田病院が2月1日、この地に新築移転し、「キラメキテラスヘルスケアホスピタル」の新名称で始動した。30年後、さらにその先を見据え、新病院が目指す姿とは―。


◎病院部門初の意匠登録「ゼロ動線病棟」

 「キラメキテラス」は市交通局跡地にヘルスケアを核としたホテルや商業施設、マンションなどが入る複合施設で、2023年のグランドオープンに向けて整備が進んでいる。グランドオープンに先立って開業した「キラメキテラスヘルスケアホスピタル」は8階建てで、179床の回復期・慢性期病院。約1・5㌔離れた鹿児島市堀江町から移転した。

 入院期間が平均30日~100日であることから、コンセプトは「100日を通して、やさしく包まれる病院」。玉昌会の髙田昌実理事長は、「入院は航海のようなもの。安全を確保した上で、より充実した生活を送っていただきたいと考えています」と語る。

 安全と快適さを追求し、設計を担った三菱地所設計によると、新病院が取り入れた「ゼロ動線病棟」は建築物の病院部門として日本で初めて特許庁の意匠に登録された。最たる特長は、スタッフステーションを病棟の中心に配置し、両側の病室への動線を短くする設計にしたことで、看護師らスタッフがすぐに駆け付けられるようにした。高田病院時代は複数の階にまたがる縦の動線だったが、新病院では入浴施設やリハビリ室などをワンフロアに集約させ、職員からは「エレベーターを待つ時間がなくなり、使い勝手も良い」などと好評という。

「縁側廊下」は患者と家族の憩いの空間でもある

 「縁側廊下」と名付けた廊下が建物の外壁に沿って配置されているのは、日差しによる病室内の温度変化を抑えるため。患者のプライベートな空間を確保するため、病室は2人部屋をメインにし、全体の8割以上が2人部屋と個室だ。特別室は専用のスマートスピーカーの操作で空調や照明を調整できる「スマート病室」に。延べ床面積は高田病院時代の1・5倍に広がり、コロナ下で「3密」を避けることにもつながっているという。

◎急性期病院と連結 シームレスな医療目指す

 隣接する急性期病院「いまきいれ総合病院」とは、両施設の2階部分が通路で結ばれ、職員や患者が行き来することができる。「異なる法人の医療機関が通路でつながるのは全国的にも珍しい新たな試み。連携しながら急性期から回復期、慢性期、在宅医療まで対応していきたいですね」。合同の職員研修など、人材育成でも連携していく方針だ。

 玉昌会は介護事業も展開しており、強みはリハビリテーションと透析。リハビリでは鹿児島大学病院と共にロボットリハビリを実施しているほか、小児リハビリにも取り組んでいる。

◎防災や健康づくり 地域の生活支援を担う

「設計では未来に向けた新しい病院にこだわった」と話す髙田昌実理事長

 災害への備えも強化した。南海トラフ地震による津波に対応するため、1階の天井の高さは6㍍を確保。都市ガスを燃料にして電気、熱を供給するエネルギーセンターもあり、災害時には避難拠点としての役割を担う。「トリアージは当院で行い、重症者はいまきいれ総合病院、それ以外は当院で受け入れる想定をしています。BCP(事業継続計画)などに基づき、患者さんはもちろん、地域住民も守ります」。地域に開かれた病院を目指し、使用していない時間帯に通所リハビリのスペースを住民の交流スペースとして開放することや、健康増進に関する啓発活動の構想も練っている。

 新病院の設計、防災面の強化は、30年後、そしてさらにその先の鹿児島を見据え、未来型の病院としてさまざまな新しい要素を取り入れた。「『治す医療』から『治し、支える医療』への変革が求められる中、キラメキテラスの一員として、新病院で地域医療連携やまちづくりに貢献していきます」

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