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前を向き続けるために「創造的復興」を掲げた

前を向き続けるために「創造的復興」を掲げた

医療法人  
内野 誠 理事長・院長

1970年熊本大学医学部卒業、1978年同大学院医学研究科修了。
熊本労災病院、米ウエストバージニア大学神経病理学教室留学、
熊本大学大学院生命科学研究部先端生命医療科学部門脳・神経科学講座神経内科学分野教授などを経て、2011年から現職。

 熊本地震から3年余りが経った。地域が再生するにはまだまだ時間を要するが、復興への歩みが止まることはない。「医療法人杏和会城南病院」も大きな決断を経て未来へと踏み出した医療機関の一つ。今年3月、「医療法人城南ヘルスケアグループくまもと南部広域病院」として新たなスタートを切った。内野誠理事長・院長が目指すものは─。

―改めて、2016年の熊本地震による影響について教えてください。

 現在、ようやく補修が完了したところです。

 実は、ほんの半年くらい前まではヒビが目立つような状態でした。地震によって、MRIやCTなどを設置した建物をはじめ、各所に大きなダメージを受けました。窓ガラスは割れ、天井は剝がれ落ち、トイレなどもまったく使用できない。

 余震が頻発する中、長期的な運営を見据えて行政上の手続きを行ったり、方向性を検討したりしなければならなかったのは、非常に苦しかったというのが正直な思いです。診療を継続していくための応急処置的な方策は選択しませんでした。熊本県が掲げた「創造的復興」を目指して再出発を図ろうと、施設の整備などに着手したのです。

―「城南病院」から「くまもと南部広域病院」に。

 当院のルーツは1953年に開設された結核療養所。結核患者の減少に伴って、1969年に「城南病院」となりました。城南病院となって今年で50年。国は2025年に向けて地域包括ケアシステムの構築を呼びかけています。当院としても地域の中核となって役割を果たしていきたいと思っています。

 病院名の変更に当たっては、340人を超えるスタッフからアイデアを募集しました。「南部広域」という言葉を入れたのは、熊本市の南部エリアにとどまらず「熊本県の南部」、ひいては「県境」までを含めた地域医療に貢献していきたいという思いを込めています。

 当院の特徴は一般病床と精神病床を有していることです。くまもと南部広域病院となったタイミングで救急外来も新設。脳神経内科・外科の医師も在籍しており、神経難病の診療にも当たっています。さらに常勤の整形外科医も加わるなど、少しずつ診療体制が強固なものとなっています。

―現在の取り組みについて教えてください。

 高齢化が進む中で、より専門性の高い、地域のニーズに応えられる病院づくりを目指します。まずは正確な診断。その診断に基づき、数多くの選択肢の中から適切な薬物療法とリハビリを行うことが大切です。

 当院では、患者さんの個々の状態に応じたリハビリを重視しています。薬物療法とリハビリは、いわば両輪の関係。切っても切れないものです。例えば認知症の患者さんであれば、身体的な機能の改善を図り、同時に認知機能の維持・向上も意識したリハビリを実施する。

 専門性の高いリハビリを提供できているのは、12人の言語聴覚士をはじめとする、およそ60人の専門職が支えているからです。当院のような規模の病院としては、充実した体制が整っていると自負しています。効率的な歩行をサポートするための訓練機器なども活用しながら、患者さんの最大限の力を引き出すことに注力しています。

―今後は。

 引き続き専門的な質の高い医療と、幅広いサービスを提供したいですね。当院は自然豊かなロケーションにあります。季節の花などに囲まれ、心安らぐ空間で治療に専念していただける環境です。

 グループとして高齢者施設や通所リハビリテーション、デイケアなども展開。医療にとどまらず、この地域での暮らしを支え続ける病院でありたいと思っています。

医療法人城南ヘルスケアグループ くまもと南部広域病院
熊本市南区城南町舞原無番地
☎0964─28─2555(代表)
https://www.ksr-hospital.jp/

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