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刻々と変化するニーズ 見いだした「役割」とは?

刻々と変化するニーズ 見いだした「役割」とは?

  病院長 (おおかわ・たかひろ)
1986年久留米大学医学部卒業、整形外科学講座入局。
済生会二日市病院整形外科主任部長、米ベイラー医科大学留学、
久留米大学医療センター整形外科・関節外科センター教授などを経て、2019年4月から現職。

 いま医療機関に求められているのは、高齢化や変わり続けるニーズを的確に捉え、対応できる体制づくり。地域に根差した医療を目指す久留米大学医療センターの今後の方向性は。4月に就任した大川孝浩病院長がイメージする「患者中心の医療」への取り組みや、地域医療機関との連携を聞いた。

―この4月に病院長に就任されました。抱負は。

 当医療センターの理念は「心が通い、信頼される医療」です。地域の中核病院として愛される病院を目指して、患者中心の医療に努めています。医師、看護師、医療ソーシャルワーカーといった多様なスタッフが協働する「チーム・医療センター」。患者さんが安心できる質の高いチーム医療を、さらに充実させていきたいと考えています。

 ここ久留米医療圏は、都市部と郡部の両方の特性を含んでいるため、「病病連携」と「病診連携」の円滑な関係を築くことが重要です。

 かかりつけ医の先生や訪問看護師、ケアマネジャー、介護・保健・福祉施設などとの連携を強め、患者さんが「住み慣れた地域で自分らしく生活・療養できる仕組みづくり」に注力したいと思っています。

―久留米大学病院との役割分担については。

 250床の当医療センターが地域のニーズに応えていく上で、大学病院と同じ診療や、総合病院のミニチュア化といった方向性では難しいと考えています。そこで、2015年に久留米大学病院との機能分化に着手。「小さな総合病院より特色ある病院」を運営方針と定めました。地域医療構想における当センターの位置付けとして、一般急性期医療、回復期リハビリテーション、慢性疾患の診療、そして特定疾患の手術を中心としています。

 例えば私の専門である関節外科の領域は、2015年に「スポーツ整形」「膝関節外科」「足の外科」の各グループを当医療センターに集約しました。これにより全身の関節疾患を幅広く診療する体制が整いました。股関節をはじめとした人工関節手術の症例数は、全国でもトップクラス。久留米医療圏だけでなく、全国から患者さんが訪れています。

 久留米大学病院の整形外科は脊椎、腫瘍、高度外傷に特化しています。このような「すみ分け」は大学の理解とバックアップなしには実現できませんでした。機能分化とは、専門領域を独立させればいいということではありません。なぜなら、疾患によっては連携して治療に取り組む必要があるからです。あくまで根本は「チーム・久留米大学整形外科」であるということです。

 こうして強みを伸ばしていきながら、地域の期待に応える医療機関としての存在意義を確かなものにしていきたいですね。

―最近の動きについて教えてください。

 4月に糖尿病センターを新設しました。フットケア外来や皮膚潰瘍治療外来を
開設し、より地域の実情に即した糖尿病の診療体制を構築しました。

 特徴的な部門としては異常に朝の起床が苦手な「フクロウ型体質」の方を対象とした「フクロウ外来」があるほか、「先進漢方治療センター」も整備しています。また、プライマリ・ケアセンターでは予防や健康管理、介護、福祉まで含めてサポートできるよう、地域連携を推進しています。

 高齢化や医療機関を取り巻く環境の変化に伴い、地域包括ケアシステムの一翼を担うのが大きな使命と考えています。当センターのことをもっと身近に感じていただくために、7月、開院25周年を記念して市民公開講座を開きます。地域の方々が住み慣れた地域で質の高い医療を受け、生活できるよう、これからもニーズに応えていきたいと思っています。

久留米大学医療センター
福岡県久留米市国分町155─1
☎0942─22─6111(代表)
http://iryo.kurume-u.ac.jp/

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