九州医事新報社 - 医療・医学の〝今〟を伝えて62年

兵庫医科大学病院 病院長 阪上 雅史

兵庫医科大学病院 病院長  阪上  雅史

 皆さま明けましておめでとうございます。2020年は新型コロナウイルスの感染が拡大しましたが、今後も各人がマスクの装着や手洗いを徹底し、自覚を持って行動することで、医療崩壊が起こらないように心より願っております。

 さて、先日、臨床実習を始める前の医学部4年生を対象にした白衣授与式があった際、自らの経験に基づき「医師として大切な三つのこと」について話をしました。

 一つ目は、「あいさつ」と「笑顔」について。「おはようございます」「失礼します」「お疲れさまです」「ありがとうございます」など、頭(学力や知識)と同じくらいあいさつや笑顔は大事です。最初は努力が必要かもしれませんが、自然にできるようになれば医療現場の雰囲気を明るくできると思います。

 二つ目は「チーム医療」。 最近の医療では、医師が一方的に指示を出すのではなく、多職種がOne Teamになって治療にあたります。

 例えば、2020年11月に当院で初めて職員から新型コロナウイルス陽性者が出たとき、直ちに緊急対策会議を行い、250人余に対して1日半のうちに遺伝子検査を行い、全員陰性の結果を得て2日後には通常診療に戻すなど、医師や看護師、薬剤師、臨床工学士、臨床検査技師、放射線技師、事務などがOne Teamで対処しました。学生にはこうした多職種チームによる現場 を見てもらい、将来はリーダーとして活躍してほしいと思っています。

 三つ目は「人の意見を聴く」こと。「聴く」とは字の通り、耳だけでなく、目や心を十分に使って相手の言葉を理解することです。2020年10月、有名な中学・高校で講演する機会があったのですが、それらの学校では「君たちは優秀な頭脳を持っているので、どこの分野に進んでも指導者を目指しなさい」と教えられるそうです。

 ところが、実際に指導者になれる人は多くはありません。彼らは優秀なので自分の意見を言うのには優れていても、人の意見を聴くことは得意ではないのです。 私もこの齢(よわい)になってようやく聴くことの重要性が分かってきましたが、若い医師には自分以外の人、特に患者さんの訴えを謙虚に聴く耳を持つことを期待しています。

 どのような職業においても、初心は 一番大切です。学生に話した内容を改めて自分に言い聞かせて、今年も 頑張りたいと思います。

 最後になりましたが、新型コロナウイルス感染が一刻も早く収まることを願いますとともに、2021年の皆さまのご多幸とご健勝を心より祈っております。

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