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兵庫医科大学病院 病院長 阪上 雅史

兵庫医科大学病院 病院長 阪上  雅史

 新年明けましておめでとうございます。2019年は幾つかの台風や地震による災害があり、特に台風19号の上陸時には、東海地方から東北地方にかけて各地で大きな被害が発生しました。被災された方々には心からお見舞い申し上げます。2020年こそ、大きな災害などなく平穏に過ぎることを祈っております。

 自然災害が発生した際、災害拠点病院である当院が組織や地域の安全を確保するためには、やはりBCP(事業継続計画)が重要です。災害などの緊急事態が発生した時に損害を最小限に抑え、地域の救助や復興に当たるためには、事前に計画し訓練することが欠かせませんので、当院では日頃からBCPについて職員への周知と訓練を徹底しております。

 一方、特定機能病院である当院が安全かつ質の高い医療を提供するためには医療安全管理が重要です。私は医療安全管理部長として事故防止システムなどを構築してきた5年間の経験から、システムを構築するだけでなく職員へ周知することの重要性を再認識しました。

 そこで、病院長となった今は、各種会議の場や院内ネットを用いて繰り返し周知に努めています。また、医療安全には多職種間のコミュニケーションも重要ですので、「ものを言いやすい雰囲気をつくる(ボトムアップ)」「権威勾配をなくす」ことにも努めています。

 さて、本学は開学から47年がたち、教育研究面では、「THE世界大学ランキング日本版2017」(教育リソース分野)において、医学部を持つ私立大学の中で第1位・国内13位、「THE世界大学ランキング2020」では総合ランキングで国内26位と飛躍的な発展を遂げ、2017年11月には最新の設備を有する教育研究棟も竣工しました。

 診療面では、2018年に「アレルギー疾患医療拠点病院」、2019年には「がんゲノム医療拠点病院」に指定され、5大疾病をはじめすべての疾患に対処しています。

 今後、さらに高度な医療を展開するために、新病院棟の建設計画を進めています。この計画は、約2年半前より私が新病院準備室長として基本構想と基本計画を策定したもので、現在は2026年の開院に向けて基本設計を行っている段階です。

 「安全で質の高い医療を行い、地域社会へ貢献するとともに、良き医療人を育成します」という本院の理念に加え、患者・家族・地域住民にやさしい病院、教職員が働きやすい病院を目指して、職員一同「one team」で頑張ってまいりますので、2020年も皆さまのご理解とご支援をよろしくお願い申し上げるとともに、皆さまのご健勝とご多幸を祈っております。

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