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公立病院の独法化を機に地域医療連携推進法人設立へ

公立病院の独法化を機に地域医療連携推進法人設立へ


鎌田 一 理事長(かまだ・はじめ)

1976年札幌医科大学医学部卒業。
中村記念病院、群馬大学第一病理学教室、米カリフォルニア大学留学などを経て、
1993年北斗病院を開設し、現職。
地方独立行政法人広尾町国民健康保険病院理事長兼任。

 北海道東部十勝管内の帯広市で、脳疾患を中心に第2次予防医療に力を注ぐ北斗病院。道内初の公立病院の独立行政法人化で注目された、広尾町国民健康保険病院と業務提携をして1年が経過。両病院のかじを取る鎌田一理事長に展望を聞いた。

―提携の背景や経緯を。

 広尾町国保病院との関係を業務提携と捉える見方もあるかと思いますが、私自身は違った意味で理解しています。これまで医療現場では70年近くをかけて、さまざまな医療改革が行われてきました。しかし現在、進められている地域医療構想、地域包括ケアシステム構築、働き方改革は、従来とは明らかに次元が異なります。

 日本全国には340を超える第2次医療圏があり、規模の違いこそあれ公立・公的・民間という3種類の医療機関によって担われています。これら個々の病院の改革や統廃合を抜きにして、医療改革の実現は困難という共通認識がなければ、私たちが行う独法化や連携の意味を理解することは難しいかも知れません。

―その真意は。

 十勝管内には帯広市を含め19市町村があり、公立・公的医療機関は17、民間病院も20弱存在します。しかし、現在の数を残したまま、すべての医療機関が事業活動を継続することは不可能です。一方、統廃合の話になると公立・公的医療機関にお金を集めて施設の充実を図る計画が進行しがちですが、投入する資金はすべて税金であり、安易な実施は許されません。

 民間病院の場合、私たちのような社会医療法人であれば、病院債を発行することも可能ですが、それ以外は法的整備が遅れています。こうした中で改革を前に進める方法として、ベストではないがベターなのが独法化であると私は判断し、広尾町国保病院の独法化の支援を引き受けました。

 これを足場にまず、地域医療連携推進法人を、十勝管内に四つか五つぐらいのブロックに分けて設立。公立・公的病院と民間病院がまとまり、良質な医療を効率的に地域に提供することが、私たちの基本的な考え方です。

―重視しているものは何ですか。

 私たち社会医療法人北斗のミッション・ビジョンは「革新に満ちた医療への挑戦と新たなる組織価値の創造」です。

 この中で語られている革新に満ちた医療とは何か。それは2015年1月20日に米国の前大統領であるオバマ氏が一般教書演説の中で「Precision Medicine」について言及したものの中に見て取ることができます。

 従来型の医療(one―size―fits―all型医療)は、平均的な疾病に対する診断・治療であり、個々の患者に最適なものでは必ずしもありませんでした。「Precision M
edicine Initiative」は、従来型の医療からの脱却を促し、医療・介護の革新を不可避にしてきています。

 このように、IoTなどさまざまな経路を通じて集積されたビッグデータの解析により生み出されていく、革新に満ちた診断・治療は「がん・ゲノム医療の実装」そのものと言えるでしょう。

―今後の展開を教えてください。

 十勝は、日本最大の広域診療圏であり人口密度も非常に低い。しかし、このような広域診療圏においても、求められるべき医療、革新に満ちた診断・治療・介護は、地域の人々に提供されなければなりません。

 この志を抱いて約30年前、日高山脈の麓まで耕作地が展開する帯広市郊外に設立したのが北斗病院です。広い土地を活用して現在、1万2000坪の敷地にサ高住・老人保健施設をオープンしました。隣接の十勝リハビリテーションセンターと有機的につながる、新たなコミュニティーづくりも構想しています。

社会医療法人北斗 北斗病院
北海道帯広市稲田町基線7―5
☎0155―48―8000(代表)
https://www.hokuto7.or.jp/

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