九州医事新報社 - 地域医療・医療経営専門新聞社

優しく信頼される病院を目指す

優しく信頼される病院を目指す

愛媛県立今治病院
川上 秀生 病院長(かわかみ・ひでお)
1989年愛媛大学医学部卒業、1996年同大学院修了。
同年愛媛県立今治病院入職、同病院副院長などを経て、
2021年から現職。



◎公的中核病院として

 今治市は、「しまなみ海道」の四国側の玄関口の町で、瀬戸内海のほぼ中央部に位置し、島しょ部を抱える人口約16万人の愛媛県第2の都市です。県都の松山市からは、車で約1時間。当院は一般病床数270床、常勤医師数45人、診療科全23科を持つ、今治地区の公的中核病院です。

 今治医療圏の中では主に救急医療、小児医療、、災害医療、そしてコロナ禍では感染症医療を担っています。当地域も全国の地方都市と同様、高齢化の進行と医師不足という課題を抱えています。


◎医師不足に取り組む

 医師不足を解消するために、医療の三位一体改革、すなわち地域医療構想の実現、医師・医療従事者の働き方改革、実効性のある医師偏在対策を推進していきます。特に、地域医療構想を進めることが地域医療を守り、働き方改革、医師偏在対策に結びつきます。病院ごとの役割分担を明確にし、医療資源を集約化、医療情報ネットワークによる医療情報の一元化で、効率の良い医療を提供する、そして病院完結型医療から地域完結型医療へと変化する必要があります。

 当院は今治医療圏の「急性期病院」としての役割を今以上にしっかりと果たせるよう、病院機能を高めるとともに、地域連携を通してシームレスな医療、介護を実現したいと考えており、既に取り組みを開始しています。そして、行政や医師会、地域の医療機関、介護施設、住民とともに、安心して子どもを産み育てられる街、安心して老後を過ごせる街、災害に強い街、そして次世代まで持続可能な地域医療を目指し貢献していきます。


◎基本理念を理解し、同じ方向に向かって

 病院運営で最も大切なことは、全ての職員が、病院の基本理念を理解し、同じ方向に向かって行動することと考えています。当院の基本理念は「公的中核病院として地域の皆さまに信頼される良質な医療を提供します」です。

 「良質な医療」とは、ガイドラインやエビデンスに基づいた標準的な医療を安定的に提供すること、「地域に信頼される」とは患者さんやそのご家族に「県病院を受診して本当に良かった」、地域の医療機関の先生方に「県病院に紹介して本当に良かった」と思ってもらえることです。まずはこの基本理念を全ての職員にいま一度、周知することから始めました。

 その後、各診療科、各部署の意見を聞き、「良質な医療を提供する」ための短中期目標を確立。短期目標では、新型コロナ対策本部の下、診療班、ワクチン班を再編成し、コロナ対策に注力しています。中期目標では、病院業務の標準化と働き方改革を掲げ、ICT推進チーム、働き方改革チームを設置して取り組みます。経営改善では、プロジェクトチームを編成し、効率的で無駄のない医療の提供に努めます。今後は、CSR活動や環境問題にも取り組んでいきたいと考えています。

 病院の目指すべき方向性を明確にし、それを員に示すことが病院長の役目と考えています。基本理念に基づいて目標を決め、それを各部署に伝え、少しずつでも前に向かっていく、そして「なんとかやり遂げる」、その努力と成長を手助けするのも私の役割です。

 コロナ禍で日本の医療制度の脆弱(ぜいじゃく)性が露呈した今日、医療界は大きな変革を迫られています。変革の必要性を伝え、理解してもらうためにはコミュニケーションも重要です。対話の場を多く持ち、意見を言いやすい病院長でありたいと考えています。

 種の起源で有名なダーウィンは「最も強いものが生き残るのではなく、最も賢いものが生き残るのでもない。唯一生き残るのは、変化するものである」と言っています。変化を恐れず、前を向いて一歩ずつ進みたいと考えています。

愛媛県立今治病院
愛媛県今治市石井町4-5-5 ☎0898-32-7111(代表)
https://www.eph.pref.ehime.jp/epimah/

この記事を読んだ方は他にこんな記事も読んでいます

最新の記事情報が取得できます

Twitter

「いいね!」ボタンを押すと、最新情報がすぐに確認できるようになります。

Instagram

フォローする」ボタンを押すと、最新情報がすぐにツイート上で確認できるようになります。

Instagram did not return a 200.

コメントはこちらから

[contact-form-7 404 "Not Found"]
メニューを閉じる