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働き方改革×医療DX コロナ禍で進む システム活用

働き方改革×医療DX コロナ禍で進む システム活用

 少子高齢化に伴う労働人口の減少と、新型コロナウイルス感染症の流行を受け、病院でもDX(デジタルトランスフォーメーション)の波が急速に広がっている。DX化の現状と、労働生産性向上、働き方改革の見通しは。

■コロナ感染者情報入力もワンクリックで

 「働き方改革、労働生産性向上の観点でRPAに関心が高まっていた時期に、コロナが重なった。事務・管理部門の業務をロボットに代替させる病院が増えている」と語るのは、RPAソリューションを開発・販売する「UiPath」社の担当者。

 RPAは「ロボティック・プロセス・オートメーション」の略で、パソコンなどを使って実施している反復性の高い事務作業を自動化する技術。病院ではシステムをまたぐデータ転記、医事会計システムに取り込まれた内容のチェックなどに活用される事例が増えているという。

 すでに同社のツールを導入し、2カ月間の準備期間で年間2000時間の業務時間削減を成功させるなどしていた信州大学医学部附属病院では2021年1月、国の「新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム(HER―SYS)」に情報を入力する際にかかっていた負担の軽減もRPAで実現。

 電子カルテに入力された患者情報のうちHER―SYSへの登録に必要な項目を収集して転記する作業と、院内の情報共有などに発生届の入力結果をメールで提出する作業を自動化。1件当たり3分超、月に数百件に上る作業をワンクリックで処理できるようにした。

人事労務に関する業務をウェブ上で完結(イメージ)

 同社のライセンスを持っている病院・企業間では自動化の仕組みを共有することが可能なため、事例が増えるほど類似の業務の効率化が進めやすくなる。同社では製品ラインアップも拡大しており、さらなる普及と、医師の働き方改革などへの活用も見込んでいる。

■医療福祉関連施設の導入は前年比200%超

 「導入数は今後もさらに増加する見通し」と語るのは、人事労務に関する業務をウェブ上で完結できるクラウド型人事労務ソフトを提供する「SmartHR」社の広報担当。病院など医療福祉に関連する施設での導入は、2021年1月で前年比200%超。商談数はさらに伸びているという。
 同社のソフトでは、職員の個人情報を職員本人が入力。職員は紙書類の提出が不要で、人事労務担当者も提出された書類の情報を入力する必要がない。給与計算結果と事前の登録情報などから給与明細が自動で作成されPDFで発行されるなど、さまざまな業務が効率化。年末調整に関する業務もウェブ上で完結できる。

 「事務系職員が職場にいなければ手続きが進まない環境自体がリスク」として導入した病院も。同社広報担当は「災害時のデータ消失リスクの回避、コロナ禍でのリモートワーク推進といった点でも喜ばれている」としている。

■DX推進は自然な流れ

 さまざまな場面で進むDX。日本病院会副会長で、聖マリア病院病院長の島弘志氏は、「労働人口の減少で資格職の採用が難しくなる。コロナによって病院の経営状況が厳しさを増し、支出抑制も求められている」とした上で、「病院の経営を安定させつつ医療の質を保つには、有資格者が専門性を必要とする業務に特化できる環境が必要。システムの導入・維持管理にかかる経費と人件費を比較した検討が必要にはなるが、デジタル化できる作業は機械に任せる流れは自然なことで、今後いっそう進むだろう」と話している。

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