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働き方改革を進めながら、地域医療の発展に貢献

働き方改革を進めながら、地域医療の発展に貢献

  院長(てらお・きみなり)
1983年熊本大学医学部卒業、1989年同大学院医学研究科修了。
県立延岡病院産婦人科部長、医療連携科部長、副院長などを経て、2019年4月から現職。

 1989年から宮崎県立延岡病院に勤務する。産婦人科部長、業務管理部門を担う副院長などを歴任し、今年4月、院長に就任した寺尾公成氏。今後の取り組みや医療への思いとは。

―院長としての取り組みは。

 今年4月1日から働き方改革関連法が段階的に適用になっています。医師への適用拡大も5年後に迫り、労務環境に対する管理者責任が重くなっていると感じています。当院では、今年から夏季休業を3日間から5日間に延長。2日以上の冬季休暇を新設して、医師
を含め全職種のスタッフが、最低でも年間5日の有給休暇を取得できるようにアナウンスしています。

 また、当院に約50ある委員会活動については、その活動を必ず勤務時間内に実施するよう徹底。1時間以上かかっていた活動時間も、30分以内に短縮するように促しています。特に時間外労働が多い医師に対しては負担軽減を目指して、インフォームドコンセントを緊急時を除いて勤務時間内に設定することなども検討しています。

 これらを含めスタッフの労働環境の改善を目指し、毎月目標を定め、折々に達成度を確認。医療の質はしっかりと担保しながら、5年後の医療現場の改善イメージを具現化していきたいと考えています。

―この春竣工した「心臓脳血管センター」について。

 今年4月、救命救急センターに併設して、「心臓脳血管センター」が稼働し始めました。三つの処置室を備え、循環器内科と心臓血管外科を合わせた11人の医師でスタートしました。

 今後、さらに機能を拡大させ、急性期の血栓回収やカテーテル治療が可能なハイブリッド型の治療室も整備する予定です。地方都市でも都心部と同じように、質の高い医療を提供していく。そのためにも経営面を強化し人材を確保し続けていくことが、院長としての私の責任であると感じています。

―独自の取り組みは。

 この地域では、人工腎臓(ダイアライザー)市場で世界的シェアを持つ「旭化成」を筆頭に、産学官が連携し、大分から宮崎にかけて盛んな医療機器産業の一層の集積と地域活性化を図る「東九州メディカルバレー構想」が始まっています。その一環として、当院も最先端医療の開発に参加し、その技術を活用することで、県北医療のさらなる発展に貢献していきたいと考えています。

 また県北地区には、私の専門である産婦人科分野において60年を超える歴史を誇る勉強会「宮崎県北産婦人科医会」(通称「二八会」)があります。当院を含めこの地区のすべての産婦人科医で組織されており、毎月欠かすことなく、全員参加で開催しています。

 勉強会では、県内外から外部講師を呼んで講演会を開催したり、当院の若手医師や救命救急などに関連する診療科医師との情報共有を行い、技術の向上や連携強化につなげています。こうした日々の連携により、地域の1次医療機関と顔の見える関係を構築。2次医療機関として地域医療の基盤強化につなげています。

―医師のあるべき姿とは。

 「医療とは、理路整然とした科学と、心溢れる情熱の融合である」。これは、私が、医師として大切にしている姿勢です。折に触れて、若い先生方にも伝えています。医師は、膨大な知識を要し、その知識を正しく活用するサイエンティストであると同時に、病める人に寄り添うパッションを備えているべきではないでしょうか。

 医の道を極めることは容易ではありません。学び続け、そして人を敬う気持ちを大切にする。それを私は医療人の進むべき道「極医尊人(ごくいそんじん)」と呼んでいます。この「極医尊人」の精神を、今後も若い医療人たちに伝えていきたいと思います。

宮崎県立延岡病院
宮崎県延岡市新小路2―1―10
☎0982―32―6181(代表)
http://nobeoka-kenbyo.jp/

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