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働き方改革を率先し世界一優しい病院に

働き方改革を率先し世界一優しい病院に


院長(いしばし・さとる)

1991年旭川医科大学医学部卒業。
東北大学医学部第二外科(現:総合外科)、石巻赤十字病院小児外科部長、
同病院副院長兼救命救急センター長兼医療技術部長などを経て、2018年から現職。

 2018年に石巻赤十字病院の院長となった石橋悟氏は、職員ファーストの精神で職場環境の充実を図っている。その先に見据えるのは「世界一強く、そして優しい病院」。今後到来する本格的な働き方改革も視野に入れながら、大きな目標に向かって病院運営に取り組んでいる。

―病院の大きな特徴は。

 2015年5月、世界の赤十字などの支援を得て、災害救護の拠点となる災害医療研修センターが設立されました。ここでは東日本大震災関連の資料を保管・展示しているほか、今後の災害医療に備えて講義や訓練などを行っています。また、施設内には石巻赤十字看護専門学校が併設されており、未来の看護師を育成する役割も担っています。

 もう一つの特徴は、石巻市夜間急患センターとの連携です。2016年12月、当院の敷地内に夜間急患センターが移転してきたことにより、救命救急センターと1本の廊下でつながり、患者さんの症状に応じた役割分担がスムーズになりました。地域の皆さんにとっても、当院に来ればいつでも診察してくれるという安心感が生まれたと思います。

―職場環境の充実にも力を入れていますね。

 私が院長に就任して以降、「世界一強く、そして優しい病院」を目標に掲げています。世界一強いとは、どのような医療環境にも耐えられる強靱(きょうじん)な医療提供体制を整えること。優しい病院とは、職員に対して思いやりのある職場環境を提供することです。当初はどちらも同列に捉えてきましたが、最近では職場環境の充実を最優先に考えています。

 そのきっかけとなったのが、院内の広報紙で定期的に行っている職員との対談企画です。救命救急センターの医師や薬剤師など、当院で働くさまざまな職員の声を聞くことで、課題やさらに伸ばせる部分が見えてきました。現在、私は患者さんを診療することがなく、基本的に院内で接しているのは職員だけですので、まずはより良い職場づくりを推進することが自分の役割。良い職場が医療の向上につながり、結果的には患者さんにも優しい病院になれるとも感じています。

―職員の働き方については。

 働き方改革に対応して、当院でも2019年度から年次有給休暇の5日取得を進めています。若い世代は自分の時間を大切にしますし、優しい職場を目指すためには、仮に法律がなくても必要な施策だと思っています。

 とはいえ、すぐに慣れるものではありません。私も5日間の有給休暇を消化しましたが、外科医として働きづめだった頃の感覚が抜けずに正直苦労しました。おそらく、同じように感じている職員もいるでしょう。しかし、院長が率先している姿を見ることで、職員の意識も変わるはずです。

―将来に向けての展望は。

 やはり働き方改革が一つのテーマになりそうです。医師に対する時間外労働の上限規制など、各方針に対しては賛否両論あるものの、個人的には抵抗がありませんし、チャンスとも捉えています。もし他の病院に先駆けて働き方改革を実現できれば、当院独自の特徴になります。今よりも職場環境が良くなり、多くの医師が集まるかもしれません。

 当然、実現に向けてはさまざまなハードルがあります。まずは地域の皆さんに診療時間の変更などを理解していただく必要があるほか、医師の確保も課題です。そして何より、患者さんに不利益が生じることは避けなければなりません。これらを乗り越えるのは決して簡単ではありませんが、それでも私はチャレンジしたいと考えています。

 国の政策に適応しつつ、病院を変えていくのは院長の使命でもあります。職員や地域の皆さんとも協力し、時代の変化に即しながら、今後も「世界一強く、そして優しい病院」という目標に向かって進んでいきます。

石巻赤十字病院
宮城県石巻市蛇田西道下71
☎0225―21―7220(代表)
http://www.ishinomaki.jrc.or.jp/

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