九州医事新報社 - 医療・医学の〝今〟を伝えて62年

健康は、予防、早期発見、早期治療で

健康は、予防、早期発見、早期治療で

 明石  隆吉 所長(あかし・りゅうきち)
1977年久留米大学医学部卒業。熊本大学第一内科、
熊本地域医療センター内視鏡検査部長などを経て、2005年から現職。

  疾病や、その予備群を早期に見つけ、サポートする熊本市医師会ヘルスケアセンター。幼稚園児から高齢者まで、幅広く健康ライフを支えている。

―ヘルスケアセンターの現況からお聞かせください。

 熊本市医師会立の施設です。医師会が検診などでデータベースをまとめる事業を行い、それを当センターが熊本市との契約に基づき報告しています。

 かつて熊本市内の救急体制をどうするのかという問題が起こった時に、医師会と日赤、熊本市の三者で協議し、1981年、この熊本方式がスタートしました。しかも開業医の先生方の休日当番を輪番制にして休みを取れるようなシステムも構築したのです。

 前身は熊本地域医療センターの検診センターでしたが、規模、組織を大きくし、1999年、医療センターに隣接する現在地に居を構えました。職場などの集団検診(対策型検診)と個別検診(任意型検診)が柱で、バス5台を駆使した巡回検診と当センターでの検診と2パターンで行い、市医師会がまとめた結果を熊本市に報告しています。


―子どもたちの健診・検診にも力を入れていますね。

 1958年に学校保健安全法が施行され、児童・生徒の健康診断が始まりました。子どもたちの健康保持・増進を図る狙いです。当時は肺結核予防が大きな課題でした。各学校の近くで開業されている校医の先生方の協力を得て、健診を進めていました。

 時代が移り変わり、子どもたちの肥満が問題になってきました。そこで熊本市では1981年、独自に「小児生活習慣病予防検診」を開始しました。学童期の肥満は大人になってからのメタボリックシンドローム、生活習慣病に発展する可能性が考えられますので、未然に防止しようというものです。

 小学4年生の時点で肥満度20%以上の子を抽出し、血液検査を含む医学的検査を実施しています。結果は保健師から本人、ご家庭にも説明し、注意を促しています。精密検査が必要だと判断された子が見つかれば、最寄りの開業医や病院を紹介します。

 熊本市内の幼稚園6校、小学校92校、中学校42校、市立の高校4校を合わせて、計6万人強を対象とした学校腎臓検診も実施しています。2回の尿検査で陽性となった児童・生徒に対し、3次精密検査まで検診体制に組み込まれているのが特徴で、2型糖尿病の早期発見につながっています。

 また、脊柱側弯症検診も1989年から小学5年生と中学1年生を対象に、校医による健診時に視診・触診を実施しています。脊柱側弯症検診では、経年で見ていくと、手術にまで至る重症症例がなくなってきていることがわかります。

 さらに、学校心臓検診も実施しています。一次検査では心電図測定や聴診、必要があれば、二次検査で安静心電図、胸部エックス線などを行います。突然死の減少に、貢献していると思います。


―集団検診については。

 がんの集団検診は、老人保健法に基づいて始まり、40年近い歴史があります。従来からの方法は、胃がんが胃透視、肺がんはエックス線検査、大腸がんは検便による集団検診。女性の乳房、子宮頸がんは個別検診です。

 この4月から、胃がんの検診に内視鏡検査も採用します。胃透視と内視鏡、それぞれにメリットがありますが、胃がんの原因であるピロリ菌に感染している胃かどうかを見るのには、内視鏡のほうが適しているためです。

 機器の発達で検診のスタイルも、変わってきています。AI(人工知能)の進化のスピードは速く、組織の画像があれば、「がんですよ」とAIが教えてくれるような日も、まもなく来るでしょう。ただ、AIによってすべての課題が一気に解決されるとは思いません。長年、医療と医学に携わってきて改めて、奥が深いことを実感しています。


熊本市医師会ヘルスケアセンター
熊本市中央区本荘5―15―12
☎096─366─2711(代表)
http://www2.city.kumamoto.med.or.jp/healthcare_center/


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