九州医事新報社 - 医療・医学の〝今〟を伝えて62年

健全な経営基盤の確立と働き方改革のバランスを

健全な経営基盤の確立と働き方改革のバランスを

県立広島病院 平川 勝洋 院長(ひらかわ・かつひろ)
1977年広島大学医学部卒業。広島大学大学院医歯薬学総合研究科教授、
広島大学副学長、広島大学病院病院長、広島県病院事業局顧問などを経て、2019年から現職。

 広島大学病院長、広島県病院事業局顧問などを歴任し、この4月に就任した平川勝洋院長。自治体病院に求められる役割、また、これからの病院の体制や働く環境の整備について、早くも動き出した「改革のビジョン」を語ってもらった。

―4月に院長に就任。力を入れているのは。

 救急、小児、周産期、精神医療など、高度医療、政策医療に力を入れている病院です。その中でも救急については、昨年の救急車の受け入れが年間6000件。さらにはドクターカーを導入し、要請があればドクターが現場に出動して対応しています。まだ導入して1年たっていないこともあって明確な救命率などのデータは出ていませんが、引き続き救急の充実に努めます。

 また、がんゲノム医療連携病院に昨年指定を受けました。もともと緩和ケアを含めて、歴史的にもがん治療には実績がある病院です。がんゲノム医療については、岡山大学が中核拠点病院として組織づくりが進んでいます。6月から保険収載されることで患者は確実に増えてくるのではないかと思います。

―大きな病院が集中しているこの地域での役割は。

 市内には、この県立広島病院、広島大学病院、広島市民病院、広島赤十字・原爆病院などがあります。それぞれ切磋琢磨しつつ、今後の人口減を考えると役割分担が必要だと感じています。

 これらについては、広島県健康福祉局が中心となって地域の機能分化の改革を進めています。私たちも、今のままの体制でよいのか考えていかなければならないと思っています。

 例えば、当院は外来患者が多いのですが、本当に高度医療を必要とする患者さんを診ていく必要があります。

 実は、昨年実施したアンケートの結果によると、この病院を「かかりつけ医」として捉えている患者さんも多いのです。情報を発信し、患者側の意識も変えていかなければならないと実感しています。

 さらに、在院日数が非常に短くなったので、この4月に病床数を減らしました。効率的な人員配置という意味でも、どのような効果があるか、プロジェクトチームをつくり試行錯誤しているところです。

 今後さらに在院日数が短くなれば、もっとベッドを減らしていく必要があるかもしれません。これまでのように「なるべく早期の退院を進めていく」というだけでは、病床管理に限界がきます。経営者として、きめ細かな分析をしながら実行すべき時代になっていると感じています。

―就任の挨拶で働き方改革にも言及されました。

 健全な安定した経営基盤の確立、そして働き方改革のバランスをとりながら整備していくことが必要です。「県民に愛され信頼される」を理念にしながら、働いている人もハッピーである。その環境整備が私の使命であると思っています。

 スタッフの配置については、例えば検査技師や薬剤師にしても本当に適正な人数なのか、見直しているところです。

 仕事は増えていますが、本当にやるべきことは何か。事務にしてもICTを導入すれば省略化できて効率性が上がるのかなど、各部署で話し合っています。

 この病院では4年ほど前から、各職場でテーマを決めて実践する「改善活動」に取り組んでいます。すでに土台はありますので、もっと発展できればと思っているところです。

 医師のことについて言えばもう少し人員が欲しい診療科もありますが、広島大学の協力によって維持しています。当院は県立病院ですので、人材の支援の役割があります。県立安芸津病院(東広島市)、あるいは都市圏から離れている地域への診療のサポートが必要です。経営とのバランスをとりながら、対応していきたいと思います。

県立広島病院
広島市南区宇品神田1―5―54
☎082―254―1818(代表)
http://www.hph.pref.hiroshima.jp/

この記事を読んだ方は他にこんな記事も読んでいます

最新の記事情報が取得できます

Twitter

「いいね!」ボタンを押すと、最新情報がすぐに確認できるようになります。

Instagram

フォローする」ボタンを押すと、最新情報がすぐにツイート上で確認できるようになります。

コメントはこちらから

メニューを閉じる