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健全な医療経営を目指し医師不足の改善を

健全な医療経営を目指し医師不足の改善を

西尾市民病院
禰宜田 政隆 院長(ねぎた・まさたか)

1986年名古屋大学医学部卒業。
小牧市民病院、名古屋市立守山市民病院、西尾市民病院外科部長、
同副院長兼診療部長 (外科系)などを経て、2013年から現職。

  新型コロナの感染拡大により、限られた医療資源の中で患者の受け入れに奮闘する西尾市民病院。公立病院としての役割、不足する医師の確保に尽力する禰宜田政隆院長に話を聞いた。




―新型コロナの対応は。

 当院は感染症指定病院ではない中で、2020年春からの新型コロナウイルス感染症の拡大によって、西尾保健所管轄である西尾市と幸田町における軽・中等症患者の受け入れに対応してきました。西三河南部西医療圏は6市ありますが、当市には3次救急病院も感染症指定病院もなく、公立病院である当院が受け入れざるを得なかったのです。

 コロナ病床は基本的に3床、最大5床を準備したものの、第4波の際には西尾市は人口当たりでの感染者数が多く、愛知県全体でも感染者が多かったことから他の病院への移送もできない状況の中、対応可能な患者数をはるかに超える患者数を受け入れるという逼迫(ひっぱく)した状況でした。その中で、2人の呼吸器系の医師と感染管理認定看護師が奮闘し、なんとか乗り越えることができました。まだしばらくは感染の波があると思いますので、油断せずに対応したいと思います。


―病院運営での課題は。

 大きな課題は、医師不足です。当院では2016年ごろ、医師が非常に少ない時期があったのですが、その当時からすると、現在は初期研修医などを含めて12人増え、なんとか約60人の医師を確保できています。

 脳神経外科は3人体制に、脳神経内科も入院可能となりました。これまで、高齢者などに多い脳卒中の疑いがある救急搬送の患者さんの受け入れを断らざるを得なかったのですが、医師が確保できたことで受け入れが可能になっています。

 西尾市では市民への安定的な医療提供のために、医学生に対する奨学金制度を実施しています。医師免許取得後に当院で臨床研修を実施し、貸与年数の期間勤務すると全額免除になります。また、地域枠の医師も割り当てられ、21年度は2人がこの制度で勤務しています。まだ少ないのですが、これから増えてくることを期待しています。

 医療圏全体としての医師数であれば問題ないのですが、今回の新型コロナのように保健所の管轄での対応となると、圧倒的に当市は医師が足りません。地域医療構想も進められていますが、このまま従来の概念で進めていいものかどうか、何らかの形で提言できたらと思っています。

 

―改善に向けて。

 地域の皆さんに当院の実力をもっと知っていただきたいと、イベントや広報活動に積極的に取り組んできました。ここ数年は市民公開講座も多数開催していましたが、コロナ禍のため中止。21年からウェブセミナーという形で再開しました。ウェブだとなじみのない方も多いので、落ち着いたら対面でのイベントに戻したいと思います。

 医師に対しては、実績を考慮した給与設定を実施しています。市民病院としての役割も果たすため、医師不足の中であっても頑張っている医師には、何らかの評価をするべきだと感じています。決して横並びの評価はせず、それぞれの頑張りに少しでも報いたいと考えています。

 また、医師と同時に不足しているのが看護師です。医師数の減少などから、一時採用を控えめにしたことで、確保が難しくなりました。現在は元に戻りつつありますが、やはりまずは医師を確保できなければ、看護師の雇用も安定して行えません。人材をしっかりと確保し、高齢者に必要とされる泌尿器科、あるいはあらゆる不調に対応できる総合診療科の充実を図りたいと思っています。

 高齢の患者さんやご家族にとって、自宅に近い地元の病院が安心です。西尾市内で医療が完結できるよう、マンパワーの確保を最優先に考えていきます。

西尾市民病院
愛知県西尾市熊味町上泡原6
☎0563─56─3171(代表)
https://hospital.city.nishio.aichi.jp/ital.jp/

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