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信頼関係を構築し求められる役割を担う

信頼関係を構築し求められる役割を担う

独立行政法人国立病院機構 呉医療センター・中国がんセンター
下瀬 省二 院長(しもせ・しょうじ)

1985年広島大学医学部卒業。広島大学大学院准教授、
呉医療センター統括診療部長などを経て、2019年4月から現職。

 1889年、呉海軍病院として創設され、終戦で連合軍に接収された後、国立呉病院として発足。2004年に独立行政法人国立病院機構に移行した呉医療センター・中国がんセンター。創設から130年という節目の年に、下瀬省二新院長が就任した。

―長い歴史のある病院だそうですね。

 当院は、海軍病院からスタートした病院です。国立病院機構の病院の中でも大規模な病院で、37診療科、地域がん診療連携拠点病院、地域周産期母子医療センター、災害拠点病院などの機能を有しています。今年4月には、がんゲノム医療連携病院にも指定されました。

 当院がある呉市は、1975年時には人口が31万2千人ありました。しかし2015年には24万人弱と減少。高齢化率も32・6%に上っています。こうした人口減少を受け、2016年からはもともと700床だった病床を縮小し、現在は630床で運用しています。

 市内には、当院のほかに2カ所、400床以上の病院があり市内の救急搬送患者の90%をこの3カ所の病院で受け入れています。中でも当院は呉医療圏における唯一の第3次救命救急センターとして、特に重症患者の受け入れを積極的に行ってきました。

―病院の強みや特徴を。

 まず、がんセンターとしての専門的ながん治療が行えるという側面。増加を続けるがんの患者さんを、しっかりと受け止められることが一つの特徴です。

 さらに、当院では総合的な一般診療も可能です。がんと一般診療、その両方の機能を併せ持つ高度急性期病院であることも、強みと言えるでしょう。

 例えば、3D内視鏡システムを使用した胸腔鏡、腹腔鏡による低侵襲手術や、高精度強度変調放射線治療(IMRT)やPET―CTなどの導入によって、高度ながん診療ができるようになっています。

 また産科分野も充実しており、新生児集中治療室(NICU)が設置され、小児科や麻酔科とも連携して、24時間体制で分娩に対応。母子医療センターとともに、呉市における産科医療の中心的な役割を担っています。

 さらに、県内でも数少ない精神科救急を担う病院として、精神疾患を合併する身体疾患患者の受け入れも行っています。単科の精神科病院では対応の難しい精神科救急医療を担うのも、多くの診療科を有する当院の役目だと思っています。

 国際交流が盛んなことも特徴でしょうか。例えば海外の医療関係者を招く「インターナショナルメディカルフォーラム」は、すでに12回を迎えました。今年も、7月に開催予定です。

―院長就任にあたって、抱負は。

 一つ目は、患者さんとの間に、信頼関係をつくっていくこと。医療の根本は、患者さんに医療を理解していただくことにありますから、常に信頼関係づくりを意識しておく必要があります。

 医師、看護師、メディカルスタッフといった職種間のコミュニケーションや、職員と患者さんとのコミュニケーションを一層大切にしていかなければならないと思っています。その一環として、今年4月からは入退院支援センターの設置に向けて動いています。

 二つ目は、働きやすい環境づくりです。具体的には、手続きの簡略化や作業の集約化などを、可能な限り実施します。さらに、医師事務作業補助者の充足にも努めます。

 三つ目として、クリティカルパスへのてこ入れや、地域医療連携パスを充実させていくことも重要でしょう。人口が減り、規模が縮小する時代に、私たちがやりたい医療だけを追求するわけにはいきません。どこに地域のニーズがあるのかを察知し、それに対して応えていくことが大切なのだと思います。

独立行政法人国立病院機構 呉医療センター・中国がんセンター
広島県呉市青山町3―1
☎0823―22―3111(代表)
https://kure.hosp.go.jp/

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