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信州大学医学部 内科学第二教室 「和」を大切に 全身を診る内科医の育成図る

信州大学医学部 内科学第二教室 「和」を大切に 全身を診る内科医の育成図る

梅村 武司 教授(うめむら・たけじ)
1994 年信州大学医学部卒業。同大学医学部附属病院第二内科、
米国立衛生研究所(NIH)留学、信州大学医学部内科学第二教室
准教授などを経て、2020 年から現職。

 2021年に開講70周年を迎えた信州大学の内科学第二教室。ウイルス肝炎分野など多様な研究に取り組み、全身を診ることのできる内科医の養成を目指している。梅村武司教授に、長く受け継がれている教室のモットーや働き方改革への取り組みについて聞いた。


―教室運営で心掛けていることは。

 当教室は消化器内科と腎臓内科を担当しており、大学内に約50人の教室員、県内外に約400人の同門会員の先生方が在籍しています。私が入局した当時は、消化器内科、腎臓内科に加えて血液内科、、糖尿病内科と幅広い分野を専門にしていました。

 当時の教授からは、専門診療のみに偏ることなく、全身を診ることのできる内科医を目指すように指導を受けており、その教えは今も継続しています。長野県は「医師不足県」で、地域の基幹病院に勤務していても専門診療だけではなく一般内科医として診療をする必要があります。

 教室運営では、当教室のモットーである「和」を大切にしています。教室員、同門会員、秘書、臨床技師といった教室に関わる人たち全員が自分の仕事に誇りを持ち、そして仲良く、楽しく仕事ができる環境を大切にしています。

 その上で、三つのことを目標としています。①患者さんの立場に寄り添うことのできる医師の育成②臨床の現場で見つけた疑問を科学的に証明し、世界にその成果を発表できるPhysician scientist(研究医)の育成③高度な先進医療を提供すると共に、内科全般を広く診ること、そして長野県における消化器・腎臓内科診療を充実させること―です。


―研究で注力している分野を教えてください。

 教室の伝統としてウイルス肝炎の分野に力を入れてきました。私が20年に「C型肝炎ウイルスの発見」でノーベル医学生理学賞を受賞されたハーベイ・オルター氏の研究室に留学した経験を生かし、慢性肝疾患の臨床的特徴を明らかにするための多施設共同研究を行っています。

 肝硬変、、予後を予測可能なバイオマーカーなどの非侵襲的診断法について研究を進めています。21年度からは肝疾患の早期発見とウイルス肝炎の撲滅のために健康推進学講座を開設。地域住民の健康増進を目指します。

 さらに、新規がん治療である近赤外光線免疫療法の消化管がんへの応用研究、日本人に増えてきているバレット食道・がん発生の危険因子の検討、当教室で発見されたIgG4関連疾患の長期予後、新たな治療法の開発などにも注力しています。


―働き方改革に向けた取り組みについて。

 最近は働き方改革を中心に「」を実現することが求められています。特に若い医師を確保するためにも非常に重要な点です。当教室では20年、初めて男性医師が育児休暇を活用しました。

 育児をしている先生方は、柔軟に勤務日や勤務時間を選択できる短時間勤務で外来診察、、透析回診などを行っています。その後に通常勤務への復帰を目指す先生や、実際に復帰を果たした先生もいます。長時間労働の削減を図るために症例検討会、学会予行、医局会は開始時間を早めて、ウェブで行うように。自宅や外勤先からでも参加が可能です。

 私は卒後5年目から約5年間、米国へ留学し、たくさんの友人をつくること、常に世界に目を向ける必要があることを学びました。このような経験を通して、教室の宝である若手医師には国内外の施設への臨床・研究での留学を積極的にサポートしたいと考えています。 

 教室へ戻って身に付けたことをさらに進化させて、オリジナリティーの高い診療や研究を当教室で進めてもらえることを期待しています。



信州大学医学部 内科学第二教室
長野県松本市旭3―1―1 ☎0263―35―4600(代表) https://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/medicine/chair/i-2nai/

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