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保健・医療施設の機能集約 地域医療をトータルで提供

保健・医療施設の機能集約 地域医療をトータルで提供

独立行政法人国立病院機構
齊藤 正伸 院長(さいとう・まさのぶ)

1979年奈良県立医科大学医学部医学科卒業。
大阪厚生年金病院(現:JCHO大阪病院)整形外科部長、
大阪大学医学部整形外科講師、大阪南医療センター副院長などを経て、2016年から現職。

 大阪府の南河内医療圏の地域医療支援病院である大阪南医療センター。同医療圏にある近畿大学病院の移転計画を見据え、今後は行政と連携し、休日急病診療所や保健センターなどの機能を集約。さらなる地域医療の充実に向けて、齊藤正伸院長に話を聞いた。

―地域における役割は。

 1945年に国立大阪病院として創設され、2004年に独立行政法人へ移行。南河内医療圏における地域医療支援病院として、長年、地域の方々に医療を提供してきました。

 同じ医療圏にある近畿大学病院が、近く堺市に移転し、医療圏も変わってしまうため、南河内医療圏における当院の役割はさらに、大きくなると考えています。

 災害時の対応も含め、急性期医療についてはこれまで以上に強化すべく、2019年4月に救急科を新設しました。救急の患者さんに対して各科の医師が交代で診察に当たっていましたが、専門の常勤医師を2人配置。より多くの患者さんに対応できるよう、今後も増員していく予定です。

 近隣施設からの紹介率が増加していますが、在院日数を10日ほどにコントロールすることで、ベッド数は470床から430床に減少。空いたベッドを活用して、人工透析のための「血液浄化センター」を2018年に開設しました。

 これにより、これまで入院のみが対象であった透析が、外来でも可能となりました。水や電気の確保に考慮し、近年増加している地震や台風などの非常時でも透析の患者さんを受け入れられる態勢を整えています。

―行政と連携した取り組みが計画されています。

 1次救急医療体制の充実を目的に、河内長野市と連携し、乳幼児健診センター、休日急病診療所、保健センターの機能を集約。それらが一体となった施設を、2021年4月に当院の敷地内に移転します。これにより2次医療機関である当院との連携が図られ、医療をトータルに提供できる体制が整います。

 同じく当院に隣接した敷地内に、以前から病病連携を進めていた医療法人敬任会岡記念病院が、建物の老朽化に伴い新築移転してきます。

 当院では急性期・救急医療を提供。地域包括ケア病床を有し、急性期から慢性期まで幅広く医療を提供できる岡記念病院とお互いに協力し、地域医療に貢献できるようになります。

 現在、地域がん診療連携拠点病院の指定を受けていますが、さらにがんゲノム医療連携病院に参加できるよう準備をしているところです。この地域において、急性期医療をメインに、専門領域でも質の高い医療を提供し、地域の方々の健康と安心を支えていくことのできる病院を目指しています。

―今後の課題は。

 医療を取り巻く環境は、厳しいものがあります。このままでは医療費増で財政が破綻するのではないでしょうか。働き方改革を進めようとすれば、患者さんに無理を強いる部分が出てくるはずです。軽症の風邪や捻挫程度なら健康保険でカバーしないなど大胆な考え方が必要かもしれません。

 医師の人材不足は今後の課題の一つと言えます。当院でも眼科、耳鼻科、心療内科は非常勤の方に来ていただいているのが現状です。

 まずは、働きやすい病院を目指すこと。医師の時間外労働規制が適用される2024年に向け、当直明けの休みを取り入れていくなど、積極的に取り組んでいきたいと思います。

 女性医師の数も増えています。以前から、勤務日数の調整や時短勤務制度などを導入。一人ひとりの希望やライフスタイルに合わせて働ける柔軟な勤務形態も取り入れています。

 働き方改革を実現するにはまだまだ人材が必要ですが、今できることを積み重ねていくことが、大切ではないかと考えています。

独立行政法人国立病院機構 大阪南医療センター
大阪府河内長野市木戸東町2―1
☎0721―53―5761(代表)
https://osakaminami.hosp.go.jp/


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