九州医事新報社 - 医療・医学の〝今〟を伝えて62年

伝統と信頼を守りながら、新病院で地域医療を支える

伝統と信頼を守りながら、新病院で地域医療を支える

社会福祉法人聖テレジア会 聖ヨゼフ病院
神奈川県横須賀市緑が丘28 ☎046ー822ー2134(代表)
https://www.st-joseph.jp/

 70年以上にわたって横須賀地域の医療を支えて続けてきた聖ヨゼフ病院。3月24日には新病院が開院し、今まで以上に地域と密接な関係が生まれようとしている。これまでの歴史や、今後、目指す医療の形などを病院長の白井輝氏に聞いた。

◎旧日本海軍病院の建物6階建ての新病院へ

 横須賀市の中心街からほど近く、小高い丘の上に聖ヨゼフ病院はある。完成間近となった新病院の真横には、昭和の香りを残した趣のある旧棟が並ぶ。白井病院長によると、古いものは前身の病院から使用されている建物で、築80年以上が経過しているそうだ。

 「前身である横須賀海仁会病院は、旧日本海軍によって1939年に設立されました。そして戦後に米軍が接収し、地域のために役立ててほしいと当法人の創始者・ブルトン司教に譲ったそうです。1946年に当院が開設されてから現在まで、その建物を大切に使ってきました」

 しかし、施設の老朽化や耐震性の問題があり、約15年前に新病院の計画が持ち上がった。「横須賀市から離れて逗子市に移転する案などもありましたが、これまでの歴史などを踏まえて、同じ敷地内に移転新築することになったのです」。新病院は地上6階建て。3月24日開院予定だ。

◎回復期医療を重視して地域のニーズに応える

新病院の待合スペース(イメージ)

 新病院の構想から携わってきた白井病院長から見た生まれ変わる病院の特徴はどのようなものだろうか。

 「これまでも当院が担ってきた回復期医療を充実させたことが大きな特徴です」。旧病院では老朽化などにより、許可病床182床のうち約40床を休床。新病院ではすべてを稼働させ、さらに回復期を担う病棟として充当する。

 「横須賀市には回復期に対応する病院が少ないので、地域のニーズに応えるためにも必要な設備を整えました。また、当院は内科や整形外科の急性期医療も強みの一つですので、手術室の機能などを強化。検査機器は最新型を設置し、さらなる医療体制の向上を目指しています」

 その他、エントランス棟も新たに設置。「これまで、患者さんらは、急な坂を歩いて上る必要がありました。新病院は坂の下にエントランス棟の入り口とエレベーターがあり、外来などへスムーズに移動することができます」

◎横須賀市北部の地域包括ケアの拠点に

 横須賀の地で長い歴史を紡いできた聖ヨゼフ病院は、地域との結びつきも強い。今後は地域包括ケアの中核的な存在として、各医療機関との連携をさらに強化し、高齢者の在宅医療などを推進する予定だ。

 「現在、横須賀市では市全体を4ブロックに分けて在宅医療チームを構成しており、当院は北ブロックの拠点病院です。開業医の先生や介護・福祉施設と連携しながら、急性期の治療を終えた患者さんの在宅復帰、在宅医療をサポートしています。今後は地域の高齢化が加速しますので、このような連携はさらに重要度が増し、当院の果たす役割も大きくなると思います」

 総合的な診療ができる医師の育成にも力を入れていく方針だ。「現在の日本の医療は専門性を重視し、細分化されているため、結果的に医療費などが膨大になっています。高度医療が求められる場合はもちろん別ですが、日常的な総合診療は1人の医師が担うことで、効率化を図ることができると考えています」
 
さらに地域住民からの信頼も背負っているという。

白井輝病院長

 「以前、当院には産科があり、年間で最大約1200件の分娩がありました。患者さんからは、当院で生まれたという声をよく聞きます。他にも当院に親しみを感じている人は多く、これは大きな強みです。『地域とのつながりで成り立っている病院』であることを誇りに、今後も地域のみなさんの信頼に応え、お役に立てる病院を目指したいですね」

この記事を読んだ方は他にこんな記事も読んでいます

最新の記事情報が取得できます

Twitter

「いいね!」ボタンを押すと、最新情報がすぐに確認できるようになります。

Instagram

フォローする」ボタンを押すと、最新情報がすぐにツイート上で確認できるようになります。

Instagram has returned invalid data.

コメントはこちらから

メニューを閉じる