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今月の1冊-89.世界最高の学級経営 成果を上げる教師になるために

今月の1冊-89.世界最高の学級経営 成果を上げる教師になるために

 

 タイトルを見た時、「自分向きの本ではない」と思った。「学級経営」は経験がないし、する予定も(させてもらえる予定も)ないからだ。

 でも、友人は、「人材育成に携わるなら、読んでおいて損はない」「『子ども』という単語を育成する対象に、『教師』を自分の役割に、『学級』をチームや組織に…と置き換えて読めばいいのだ」と勧める。組織に所属していれば、人材育成は避けて通れない。「ならば」と手に取った。

 この本では、教師とその指導が、「子どもの学び」という成果をもたらすとする。カリキュラムやプログラム、学校の構造改革や法的手段ではなく、「人」なのだと。

 さらに、成果を上げる教師の特徴として、①前向きな期待を持ち続ける、②学級経営が抜群にうまい、③子どもの学びを確かなものにするための授業デザインの方法を知っている、を挙げる。例えば、①では子どもたちがもともとの能力ではなく、「前向きな期待」をかけられることによって著しく伸びること、③では、常に子ども(学ぶ側)に意識を向けていることの重要性が書かれている。

 今、取材先でも、同世代での飲み会の席でも「人材育成の難しさ」がたびたび話題に上る。「見て覚えろ」「何度も繰り返せ」と言われて育ったわれわれ世代は、今、伝家の宝刀「見て覚えろ」が通用しなくなり、働き方改革で、「何度も繰り返す」ための時間の制約も厳しくなって、「教育ってどうしたら…」と途方に暮れている、というのが実際なのではないだろうか。

 相手にだけでなく、自分にも「期待」を持つ。そのことこそ、この本が教えてくれたことなのではないかと思っている。



  著 
274頁 448頁 2300円+税

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