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人生の半分をこの病院と共に

人生の半分をこの病院と共に


院長(もり・よしひろ)
1982年岡山大学医学部卒業。
神戸赤十字病院、岡山大学医学部附属病院、KKR高松病院診療部長、
同副院長などを経て、2020年から現職。

 急性期医療を軸とする中規模病院として、「裾野の広い専門医療」を提供し続けるKKR高松病院。就任した森由弘院長は「コンパクトかつ高度な医療を手がける強みを、さらに磨いていきたい」と意気込む。

小さくても輝くオンリーワンの病院

 国家公務員共済組合連合会(KKR)高松病院は、人口約40万人の高松市の中心部に位置する。2000年に現在の179床の病棟が完成した。

 「人生の半分は、ここで仕事をさせてもらっています」と、森院長。1988年に入職して以来、30年以上にわたってこの病院と共に歩んできた。

 病院の強みの一つが「チーム医療」だ。患者を中心に、医師と多職種のメディカルスタッフが効果的に連携を図っている。病院が新しくなった際に新しいビジョンに掲げた「小さくてもオンリーワン」を目指し、スタッフ一丸でこれまで取り組んできた。

 当時は診療部長として現場の刷新を担った。全国でもまだ少なかった栄養サポートチーム(NST)を新設。慢性閉塞性肺疾患(COPD)など呼吸器疾患のチーム医療体制もいち早く築き、呼吸ケアサポートチーム(RCST)として打ち出した。感染対策や緩和ケアなども含め、各チームが有機的につながりながら医療サービスを提供する。

 「メディカルスタッフがチームのトップに立ち、医師とフラットな関係で仕事をするため、誰もが生き生きと働く現場になっていると思います」と森院長。医師も、その専門性をより生かせる業務に力を割くことができる。そんな、好循環につながっているという。

リサーチマインドを若手に引き継ぐ

 研究・発表において、次々と成果が出ている。「RCSTの成果は、日本呼吸ケア・リハビリテーション学会の学会賞受賞に結実しました。みんなで病院全体の診療レベルを押し上げてくれています」。このような「リサーチマインド」は、呼吸器内科医の森院長自身が貫いてきたことでもある。

 大学での主な専門領域は、ぜんそく、COPD、間質性肺炎などの良性肺疾患。さらには、指定難病であるサルコイドーシスの臨床研究にも力を注いだ。大学病院を離れてからも、もともと数少ない症例を懸命にまとめ、学会に報告を続けるなど、知見を深めた。「実地診療を主としながら、その中で常に研究アイデアを見つけ続ける。私の信念です」。医局の先輩の背中を見ながら培った。

 後進の教育・研修にも長く力を注いできた。研修などの場では、リサーチマインドを忘れず、診療に当たり続けることの大切さを、熱心に説く。

 森院長は、「続けることだけが取りえ」と笑う。40代から始めた英会話学習は、院内に週1回の教室を設けて継続中。医療者の教育・研修について学ぼうと米国に3カ月渡ったのは、50歳を過ぎてからだ。「続けていれば、自分だけがその分野の先頭を走っていることもありますから」

総合性と専門性を両立するために

 狭い専門の領域に収まらない人材を育てたいと語る。理想は「裾野の広い専門医師」。実際、KKR高松病院は「患者を専門領域の谷間に陥らせない」医療を掲げる。

 「高いレベルで総合的に診ることができる医師がいて、後ろには各分野の専門医もいる。そんな、小回りのきく横断的医療を実践し、患者に寄り添う病院でありたいと思っています」

 自宅と病院の徒歩通勤は、かれこれ20年続く。2㌔の道中。「今日のあの言い方はまずかったかな」「次はこうしてみよう」。愛着ある病院とスタッフへの思いが、今日も頭を巡り続ける。

国家公務員共済組合連合会(KKR)高松病院
高松市天神前4-18 ☎087-861-3261(代表)
http://www.kkr-ta-hp.gr.jp/

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