九州医事新報社 - 地域医療・医療経営専門新聞社

人材育成と医療連携で 継続可能な体制づくりを

人材育成と医療連携で 継続可能な体制づくりを

富士市立中央病院
柏木 秀幸 院長(かしわぎ・ひでゆき)
1978 年東京慈恵会医科大学医学部卒業。
同大学附属柏病院副院長兼手術部長、同大学外科学講座教授、
富士市立中央病院副院長などを経て、2017 年から現職。

 富士市立中央病院は人口約38万人を擁する富士医療圏で、500床規模を有する中核病院だ。医師不足が顕著なこの地域において、多様な医療ニーズにどう応えているのか。柏木秀幸院長に話を聞いた。


―現状と課題は。

 地域の中核病院として、一般診療はもちろん、入院治療を要する2次救急の受け皿となっています。当院のある静岡県東部は、特に勤務医が不足している地域ですが、救急を支えるためにも、人員に余裕を持った体制づくりが重要と考えています。

 コロナ禍では、感染症指定病院、重点医療機関として2020年から陽性患者さんを受け入れてきました。第3波では患者数が増え、院内感染が発生。最初の1週間は陽性者と濃厚接触者が急速に増え、出勤できる職員がどんどん減っていく状況でした。休院する選択肢もありましたが、他に2次救急や感染症対応をお願いできる病院がない以上、少ない人員で何とか乗り越えなければならない。幸い、DMATや県の医療チームの協力が得られ、立て直しを図ることができました。

 2021年10月現在、緊急事態宣言は解除になったものの、新型コロナ対応と2次救急に比重を置いてきた余波で、それ以外の診療が積み残され、診断や手術が遅れている状況です。患者さんやご家族に対する制限をどう緩和するか、検討していきたいと思います。


―医師の確保について。

 最近では、医師の数も急速に増え、現在110人強。研修医も毎年6人前後入ってくれるようになりました。常勤医の多くが大学からの派遣で、東京慈恵会医科大学を中心に、浜松医科大学と山梨大学に協力いただいています。高度医療や2次救急医療の充実、また働き方改革に向けても、医師や医療スタッフの確保が必須です。

 医師の3~4割は20 ~30 代の若い先生で、単身でこちらに赴任しているケースも少なくありません。働きやすい環境を整備するために、3年前から行政の協力を得て、派遣元の大学との調整を行い、先生方の要望や意見を吸い上げる、「医師人材監」という役職を置いています。

 医師人材監は、医療職の経験者ですが、人事交流の事務職として、現場の実情を踏まえて、きめ細かく対応してもらっています。勤務する先生方の評価が、ひいては派遣元の大学からの評価になりますので、手厚く対応できる制度が必要です。

 同時に、研修医対象の研修センターの設置、看護師の特定行為の研修推進など、人材育成を目指した体制構築を進めています。病院として、各医療職をどのように育てるのか、その方向性が見えなくては人材が集まらない時代だと思います。一生懸命専門性を磨こうとする職員に対して、魅力的な指導体制を持っていることが可視化できる環境にできればと思います。


―今後の方策は。

 まず、経営改善を目指しています。自治体の病院として、採算性の乏しい事業を行う責任はあるのですが、その結果、どうしても経営状態が悪化しています。これを早急に改善しようと、20年度から、コロナ対応と並行して取り組んでいます。

 高度医療への取り組みは、より強化します。外科系では、腹腔鏡などの低侵襲手術が外科や泌尿器科、産婦人科で可能になりました。さらには、ロボット支援手術など高度医療にも取り組いんでいくつもりです。内科系は神経内科、血液内科など、より専門性の高い分野の人材を確保して難治性疾患に対応し、高度医療も取り入れていきます。

 広い医療圏で急性期の機能を果たしていくためには前方連携、後方連携どちらも重要です。地域医療支援病院として、新型コロナ対応も含めて医療連携をより緊密にしていきます。

富士市立中央病院
静岡県富士市高島町50
☎0545―52―1131(代表)
http://byoin.city.fuji.shizuoka.jp/

この記事を読んだ方は他にこんな記事も読んでいます

最新の記事情報が取得できます

Twitter

「いいね!」ボタンを押すと、最新情報がすぐに確認できるようになります。

Instagram

フォローする」ボタンを押すと、最新情報がすぐにツイート上で確認できるようになります。

Instagram did not return a 200.

コメントはこちらから

[contact-form-7 404 "Not Found"]
メニューを閉じる