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人材確保し 発達支える

人材確保し 発達支える

群馬大学大学院医学系研究科 小児科学分野
滝沢 琢己 教授(たきざわ・たくみ)
1995年群馬大学医学部卒業。米国立がん研究所留学、
群馬大学大学院医学系研究科小児科学分野准教授
などを経て、2021年から現職。


 九つの臨床グループを擁し、群馬県内の小児科医療を支える教室の教授に就任した滝沢琢己氏。少子化時代における小児科医療の展望や課題、目指すリーダー像を聞いた。


小児科医療の充実 人員不足解消カギ

 10年間准教授を務め、7月、教授に就任した。教室の強みは、内分泌・、腎臓、小児精神・発達など九つの臨床グループで小児科医療の幅広い領域をカバーしていることと捉えている。「グループごとに研究・臨床を行うことで多様な疾患に対応しながら、全体でも研究などを相互にサポートしています。消化器グループでは小児科医が内視鏡を扱い、細やかなケアをしながら検査・治療を行っています」 今後も教室の現体制を維持する方針だが、さらに発展させていくために優先して解決すべき課題は、新生児医療を担う人員の不足だと考えている。「働き方改革への取り組みの必要性も考えると、多くの人員で補い合える職場環境でなければなりません。良い医療を実践するためにも、入局者を増やしていきたいですね」。研修プログラムを充実させ、県内でさまざまな症例を経験できる仕組みを構築することで入局者増を目指す。

 群馬大学医学部附属病院が県のアレルギー疾患医療拠点病院に指定され、子どもから大人まで一貫した診療体制を整えることも大きな責務の一つだ。食物アレルギーの患者が増え、根本的な治療ができていない現状を打開することを目指し、乳児のミルクアレルギー研究などをさらに深めていく。


発達と成長促進する医療を

 自身の専門は、アレルギーと免疫、膠原(こうげん)病。約7年半基礎研究に打ち込んだ経験から、若い医師にも研究の面白さを知ってほしいと願う。「研究は誰もやっていないことを試したり、今の医療が正しいかを検証したりするため、批判的にものを見る目が養われる。臨床の場でもより細やかな医療を提供できる可能性が広がります」。滝沢氏が小児科を選んだきっかけは、実習時に子どもたちの明るさやエネルギーに触れたことだった。病気があっても、子どもたちが遊んだり、学んだりしながら成長・発達するところをサポートし促進することが小児医療の重要な役割の一つだと考えている。

 例えば小児科病棟では、「ホスピタル・プレイ・スペシャリスト」の資格を持つ保育士が、子どもが手術や検査に安心して臨めるように人形などを用いながら説明を行っている。病棟内の既存の小児向けプレイルームに加え、中学生、高校生にもそれぞれの年齢に適した生活が送れるようなスペースを設けることも検討している。「ベッドの上で長時間過ごすのではなく、家庭的な雰囲気の中で勉強や友達と遊べる場にしたいですね」と語る。


患者、組織のため労を惜しまず

 群馬県内の小児科医療については、「顔の見える関係が構築されているので、スムーズに紹介の振り分けや情報交換ができている」と捉えている。一方、少子高齢化が進む中でより良い医療を提供するためには、地域の病院の小児科について、それぞれの事情に配慮しつついずれは再編成が必要だと考えている。子どもたちの健康を守るという共通の目標を達成するために、地域の医療機関との連携をさらに深め、協力して方向性を導き出していく。

 就任以来心掛けているのは、患者はもちろん後進や同僚、組織のために労力を惜しまない姿勢。一方的に指示を出すだけではなく、周囲の人のために尽くす「サーバント型」のリーダーとして、教室を率いる。



群馬大学大学院医学系研究科 小児科学分野
前橋市昭和町3-39-15 ☎027-220-7111(代表)
https://gunma-pediatrics.jp/

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