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人材を育成、確保 地域医療を維持し続ける

人材を育成、確保 地域医療を維持し続ける

綾部市立病院
高升 正彦 院長(たかます・まさひこ)

1983年京都府立医科大学医学部卒業。
蒲生町国民健康保険蒲生町病院(現:東近江市蒲生医療センター)、
京都府立医科大学附属病院、綾部市立病院副院長などを経て、2018年から現職。
京都府立医科大学臨床教授兼任。

 京都府北部に位置する綾部市は「医・職・住」を掲げたまちづくりに取り組んでいる。「医」が一番目に掲げられており、その中心となるのが綾部市立病院だ。院長に就任以来、院内の環境改善、人材育成に取り組んできた高升正彦氏に、地域医療への思いや今後の展望などを聞いた。

―病院の特徴は。

 人口3万3千人の市にある公立病院です。24時間365日の救急医療体制を整え、小児科については周辺に入院加療できる病院が少ないことから、近隣の市町村からも患者さんが訪れています。

 大学病院から呼吸器外科の医師を派遣してもらっているため、肺がんや気胸などの難しい症例にも対応しています。綾部市やその周辺地域の患者さんにとって、信頼される存在であることを目指してきました。

 2016年に地域包括ケア病棟を開設。急性期の治療を終えた患者さんの在宅、介護施設への復帰に向けた生活支援にも取り組んでいます。「治療は終わったけれど、自宅での生活が難しい」という場合には、入院を延長するなど、一人ひとりの状況に合わせてサポートできる体制を整えてきました。

 院長就任後に取り組んだのは、院内の会議を精査することです。会議は30分を目標に、できる限り短時間で終わらせるようにブラッシュアップ。看護師をはじめ多くの職員が参加しています。職員全員の意識が変わることにもつながり、それぞれの業務の質が向上してきたのではないかと実感しています。

 2019年6月には病院機能評価を受審。あらためて、院内のさまざまな箇所を確認しました。今回で4回目となりますが、検査や医師から看護師への指示の手続き、同意書の改善など、全職員で取り組むべき課題を確認できるいい機会になったと思います。

―人材育成について聞かせてください。

 研修医の教育では、自由度を高くし、希望を聞くことを心掛けています。ただ、当院だけでは経験できない症例もあるため、大学病院をはじめとした周辺地域の病院と連携を取り、研修医が望む環境を整えています。さまざまな病院で多くの経験を積むことで、優秀な人材の育成につながるのではないでしょうか。

 看護師の教育システムも充実させたいと思っています。当院は、臨床研修病院や京都府立医科大学の教育指定病院の他、看護大学の実習病院にも認定されており、学生の学びの場としての役割も果たしたいと思っています。

 女性職員に対しては、院内保育所の設置や時短勤務制度の導入など、子育て支援にも取り組んでいます。小さなお子さんを持つ女性医師は、当直やオンコールを免除するなど、働きやすい環境を整えるよう努めていきます。

―今後に向けての課題は。

 地域の課題として、今後ますます人口減少が進んでいくでしょう。しかし、人口が減ったからと言って、診療科の数を減らすわけにはいきません。

 現在の救急体制と、新生児から高齢者まで幅広く診るという病院の機能を維持するためには、医師の確保が不可欠です。

 現在、循環器内科の医師は4人いますが、1人でも少なくなれば24時間体制で緊急の疾患に対応できるかどうかは分かりません。他の科も同様です。将来の人口問題を含めた今後の変化に、どのように病院が対応していくのか、考える時に来ていると思います。

 これは医療だけの問題ではありません。われわれができることは、当たり前のことを当たり前にやること。医療の質を高め、提供し続けていくことは、いつの時代であっても変わることはありません。その思いを持ち続けることが、地域への貢献にもつながると信じています。

綾部市立病院
京都府綾部市青野町大塚20―1
☎0773―43―0123(代表)
http://www.ayabe-hsp.or.jp/

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