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事業継承から10周年 在宅医療にも注力を

事業継承から10周年 在宅医療にも注力を

医療法人結和会 松山西病院 俊野 昭彦 理事長・院長(としの・あきひこ)
1990年愛媛大学医学部卒業、同泌尿器科入局。
米ウィスコンシン大学移植外科、
愛媛県立新居浜病院泌尿器科部長などを経て、2009年から現職。


 松山西病院の事業運営を継承し2019年で10周年。俊野昭彦理事長・院長は昨年、愛媛県立新居浜病院の酒井堅前院長を名誉院長として迎え入れた。これまでの病院運営を振り返った。

―大切にしてきたことは。

俊野昭彦理事長・院長(以下、理事長) 事業承継時、経営状態はあまり芳しくはなく、特に看護師を雇用するのに苦労し、看護師定数を確保するのも厳しい状況でした。

 しかし、病院の評価は当院のような慢性期の場合、入院環境、医師の質と同時に看護師などの接し方だと思うようになりました。しかも、私たちの仕事は患者さんを幸せにすること。そして、他人を幸せにするには、まず自分自身が幸せな人でないと難しい。そのためにも私たち医療職が仕事へのやりがいを感じ幸せを感じていることが大事だと思ったのです。

 つまり私の役目は、やりがいを感じられる職場環境づくり。そうして労働環境の改善や職員の教育に特に力を入れるようになりました。酒井名誉院長にも愛媛県立新居浜病院の時にアドバイスをいただきました。

酒井堅名誉院長

酒井堅名誉院長(以下、名誉院長)
 外部の評価がこの10年で大きく変わったと感じました。一番変わったのは看護師や看護助手の質だと思います。職員が仕事に満足感を得て、病院の理念でもある「」になれば、自然に良い看護や良い介護を提供できるのではないでしょうか。


―透析室を2012年に開設するなど透析に注力。

理事長 ベッド数は37床でしたが、地域の需要は高く徐々に不足気味で対応できなくなり新たな透析室を建て、現在は61床です。外来の患者さんもいますが、入院の透析患者さんも、常時60人ほどいます。透析の患者さんに対して私たちが実践しているアプローチが二つあります。

一つ目はスキンケアやフットケアです。患者さんの体はできるだけ清潔に保つように力を入れています。急性期病院から転院して来る患者さんが少なくありません。回復まで清潔に保つことで感染症を防ぐという目的もあります。

 高齢者の場合、乾燥などからかゆみがある患者さんも多くいますが、外来、入院ともに薬でかゆみを取るだけではなく、スキンケアで清潔に保ったり、アロマオイルを使ったマッサージを取り入れたりします。

 二つ目のアプローチとして3年程前から透析中の運動療法を取り入れています。患者さんは透析中に横になった状態で、ベッドに固定されたエルゴメーターを使ってペダルを漕ぐという運動をします。

 理学療法士や臨床工学技士がベッドサイドで指導しながら体を動かす。すると、これまで運動をしていなかった患者さんの意識も変わり、日常の活動も活発化し筋肉量が増加します。

 いずれ学会で報告をします。皮膚の症状が改善することや透析時の運動療法は、患者さんの自己評価を高めて体への意識を変化させることがわかってきました。そうすると、患者さんは自身の健康状態を良くしようと、食生活の改善などに対する意欲も出てきます。


―今後取り組みたいことなどは。

名誉院長 検診など予防医療に力を入れ、病気を防ぐような活動をしていきたいですね。

理事長 在宅医療には力を入れます。新年度、訪問看護と通所リハをスタートしようと準備中です。

 外来で診るだけでは地域の患者さんを支えることは難しいと感じています。基幹病院などと連携しながら、地域の高齢者を最期まで診ていくことが今後の私たちの大きな役割だと考えています。



医療法人結和会 松山西病院
松山市富久町360―1
☎089―972―3355(代表)
http://www.yu-wakai.or.jp/

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